椅子のコレクション

2009年6月17日 (水)

「アンティークな椅子の時間」

Chairs_004 時間は流れなどせず、物質の存在自体が時間そのものなのだそうだ。(中略)おそらく時間には「物理的時間」と「人間の時間」とがあるのであって、ならばひとはひとの作り上げた「人間の時間」をもっと誇ればいいのだ。

 ある、蕎麦屋のご主人の言葉だけれど、いまひとつしっくりいかないところがあって、どう読み替えようかと、先日から考えていて、いまもしかし、いいフレーズを思いつかない。

「時間は流れなどせず、物質の存在自体が時間そのものなのだそうだ。」 つまり流れのなかの大石の様に、大石の存在によって流れが認識される様に。

置かれた、時代物の椅子の、存在自体が時間であり、「自分の時間」との差異こそが「時の流れ」というのではないか。

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2009年6月13日 (土)

エルボーグリース。

Chairs_002 「イギリスでは椅子にはエルボーグリースがいちばんというんです」。

エルボーグリースとは肘の脂。どんな油で磨くよりも、日常的に使ってやることに勝る手入れはないというのだ。

この言葉の背景には、人と過ごした親密な時間の記憶が椅子をより美しくすることを熟知している文化の存在がほの見えはしないか。        Stylebook on Antique Chairs

さて団塊堂、今日は突然、椅子磨きを思い立って、椅子のワックス掛けをしたのであります。先のブログで話題にした、リベロンのアンティーク家具用のワックスであります。黒水牛の脂ですからケダモノ臭があります。

この、アフリカの椅子など仕上げはプリミチブでツヤなど意識してつくられていませんからザラツイタ表面には埃が目立ちます。ワックスでシットリと艶を与えると彫刻が見違えるように活き活きとしてきます。

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2006年12月21日 (木)

松本民芸家具 馬足ウィンザーチェア

椅子のコレクション 4   windsor chair

Isu_garasu_006 イギリスのカントリーファニチュアの代表格がウィンザーチェア。もちろん、人それぞれだけれどIWANAは、そんな気分なのです。

ウィンザーチェアーとは、17世紀後期、イングランド地方の地主階級のダイニングやリビング用の椅子として使われた物のスタイル。

このボウバック・弓状に湾曲した背もたれのスタイルは18世紀中期以降に現れたスタイル。楡の厚い座板は鞍型に削られ、轆轤で挽かれた背棒、脚、肘木を直接座板に柄継(ほぞつぎ)している。猫脚の手の込んだ物。頑丈で実用的で「民芸的」である。

松本民芸家具のカタログでは、これを猫脚ウィンザーチェアとしているが創始者の池田三四郎氏は馬足ホースレッグとも呼ぶと「木の民芸」の中で解説している。

たしかに猫よりは馬という気分。ついでながら脚を支える突っ張り棒を「貫」ストIsu_foot_005 レッチャーと呼ぶがこの椅子の形はカウホーン・ストレッチャーと呼ぶ。木を曲げてあたかも金属の様な美しい曲線を作り上げている。

イギリスのカントリースタイルの物が妙に日本の家屋にピッタリと合うのは何故だろうか、たとえば松本民芸館、古い土蔵を展示室としているが全く違和感もなく建物が建てられた当時からそのまま其処に在るような溶け込みようである。

Isu_foot_004 この椅子、納品まで一年近くかかったが、説明では、栃の葉国体に天皇が使われる椅子として注文があり一緒に作っているから大変遅れたとの説明があった。

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2006年12月15日 (金)

轆轤の美しい椅子

椅子のコレクション 3

アーリーアメリカンのコロニアルスタイル。椅子の美しさは「脚」と「背板」そして「手すり」の美 と言っていいだろう。この椅子、脚と手すりの轆轤(ろくろ)細工がとても良い。国会議事堂の椅子を作った三越製作所の物。

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轆轤という装飾は庶民的な装飾、とはいえ明治の日本の洋館に見られるように権威の象徴として多く使われているのも確か。

上手く言えないが、轆轤は、とても上品な物と下品な物とがある。

轆轤は、伝統に対する生真面目さ、奇をてらわない規則性、職人の知性が問われる技能である。

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2006年12月12日 (火)

ダンテスカスタイルの椅子

椅子のコレクション 2    スペイン

Isu_garasu_010 アンティーク。座の部分の皮はボール紙のようにボロボロに破れたので最近張り替えたが未だ充分現役。

ダンテスカスタイル、そう、「神曲」の詩聖ダンテのダンテなのです。サブォナローラやダンテスカ、西洋の椅子は人の名前で呼ばれる物が多くあります。ダンテスカスタイル、詩聖ダンテが書斎で使っていた椅子のスタイル。このスタイルの椅子は公的な場所、教会や官邸などで使われていた椅子です。12世紀、中世の終焉、ルネッサンス前夜、近世への曙、そんな時代に流行したスタイルです。

この椅子の背板には、斜め帯(ベンド)の紋章、上部には貴族の王冠が彫られていIsu_foot_002_3 る。

Isu_foot_003_3  肘掛及び脚部にはイスラムの影響だろうか三日月の連続模様。X部にロゼット飾り。

16~17世紀のスペインルネッサンス期の、ゴシックを基調に、ルネッサンスとムーア族(イスラム)のムーリッシュスタイルが読み取れる。

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2006年12月 9日 (土)

アフリカの椅子 怪鳥カラオの椅子

椅子のコレクション 1       コートジボワール(象牙海岸) セヌフォ族

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怪鳥カラオ(日本名サイチョウ)が手摺りにあしらわれ、脚部は男女それぞれ2対の立像。アフリカ人の店で購入したが、ここの女主人がとても上品で高貴な女性だった、生粋のアフリカンなのだがフランス人の様な語り口で。

アフリカの王様の椅子との触込みだった。ブログを書くにあたって調べていたら、日本民藝館所蔵のセヌフォ族の“カラオ像”に全く同じディテールを見つけた。セヌフォ族にはポロと呼ばれる男子秘密結社があり、カラオの長い嘴は男根を表す、カラオは秘密結社への加入儀礼の際、最後のトレーニングの場面に登場する重要な鳥。

東北福祉大学の芹沢美術工芸館蔵のセヌフォ族の祠あるいはトレーニングハウスのIsu_garasu_004 扉の装飾バターンにも同じものが見られる。ポロ結社への加入儀式の際トレーニングハウスで使われた物だろうか。

日本民藝館の館長、柳宗理はアフリカンアートを「美の始源体」と呼んで、美の生誕の源、今日言われる美術でもないアートでもない、それ以前の美の発芽。即ち無意識の美 Unconscious beautyと絶賛している。

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