コレクション

2007年2月20日 (火)

根尾産 孔雀石

銘 蓬莱山 (ほうらいさん)

0702216_006 蓬莱山。 古代中国で東海の彼方にあると幻想された神仙の住む永遠の世界、幻想の異界。水平線の彼方にある永遠の世界、そこには不老不死の仙薬があり神仙たちが永遠に齢を保って生きていたと伝えられた。

この石、菊花石と並んで岐阜の根尾で産出される孔雀石。石の上部にある球顆模様が孔雀の羽を思わせるところから付いた名前だが残念ながらこの石では模様が細かすぎて、しかしその細かな球顆模様が孔雀石の派手さを押さえて渋く、まるで辻が花染めの逸品を観る様で美しい。山裾から山道を思わせる模様が入り、その横にかかる石英は山腹にかかる雲と見立てた。山の頂にかけての球顆模様がまるで華咲き乱れる蓬莱そのものではないだろうか。石の姿も蓬莱伝説に何度も描かれた蓬莱山の絵そのものである。

蓬莱といえば、あの浦島太郎が、竜宮城へ向かう三年間を、官能的な仙女とめくるめく官能の日々を過ごした世界。いや、その昔の浦島伝説では、竜宮城は海の中にあったのではなく蓬莱の島であったのだよね。

見立て。自然が作り上げた造形から何を読み取るか。偶然出合った石ころの物語をどう引き出すか。見立てによって物語を得る事で見事に、独りよがりだけれども自分だけの銘石が生まれる。

この石だって孔雀石としては屑石かもしれないけれど、蓬莱山とくりゃあ、始皇帝の不老不死の仙薬の話から浦島太郎の仙女との爛れた(ただれた)愛の日々まで話はめぐるだろう、楽しいよね人生は。

男だってそうだぜ、たとえ路傍の石だって光り輝く物語を秘めているかも知れないぜ。

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2007年2月 8日 (木)

金魚 木彫

Kingyo_004_1 「as it is」  禅の用語では “只”、ひらたく言うと東国原・・・いや“そのまんま” という訳 で、そのまんま観て欲しいのよね。

「物」がたりのブログとはいえ、このブログ、少し物について饒舌すぎて語りすぎて、語れば語るほど夜店の啖呵売みたいで、みのもんたのコマーシャル、アッコとシンスケのコマーシャルみたいで、すこし反省しているのよ。そのまんまが大切だなって。

Kingyo_003 この金魚、とても良いだろ、とても形が良くて、彫りも良くて、材料は柿の木だろうか。

中国製。

だめだめ、またまた 「as I like」 が前に出てきた。

煙草一箱より安かったんだぜ。

作家の名前でもなければ国でもない、まして金額ではないのだよ美は。

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2007年2月 6日 (火)

金魚のタイル

Kingyo_001 先日出かけたアンティークフェアで面白いなと思いながら他の物を買って帰って、その晩突然目が覚めてどうしてあれを買わずに帰って来たんだろうと思い始めたらもう我慢できなくなって、翌朝さっそく出かけて買ってきたのよ。馬鹿みたいだろ?

結構重かったんだぜ。名古屋の地下街をこんなの持って歩いてて元部下に会ったらなんて説明したら良いんだろうって考えながらタクシー代節約して地下鉄で帰ってきたのよ。

銭湯のペンキ絵ってあったよね。富士山が描いてあったり天橋立だったり。金魚の絵なんて微笑ましくっていいよね女風呂だろうね。

ペンキ絵って思って買ったけど良くみるとペンキじゃないのよね、タイルに絵付けKingyo_002 して焼いてある絵タイルなのよね。昭和30年代のものだろうか、裏側のモルタルと金網とタールの防水紙が時代なのよね。

我が家の「完全日陰の廃墟趣味の裏庭」に入れたら、まるで金魚の花が咲いたみたいだよ。楽しいぜ。

たとえば、芸者あがりの綺麗なお姐さんの「金魚」なんて名前の喫茶店の窓辺に少し時代遅れなポトスかなんかと一緒にこのタイルが立てかけてあったりしたら癒しだろ?

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2006年11月28日 (火)

スペイン グラナダ 染付草花文アラビア風水注

団塊堂セレクション ⑮   スペイン グラナダ

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アンダルシアの主都グラナダはムーア人(イスラム教徒)によってつくられた都市である。1492年スペインにおけるムーア人最後の砦であったグラナダが陥落し、アルハンブラ宮殿はスペイン王の物となった。西洋(スペイン)と東洋(イスラム)の混じりあったイスパノモレスクというエキゾチックで幻想的な様式は此処で生まれた。

ワシントン・アーヴィングの「アルハンブラ物語」は、赤っぽい石壁のためにアルハンブラ(赤い城)と呼ばれる宮殿を舞台とした。宮殿の下にはジプシーたちが住む白壁のオールドタウンが見下ろせる。

前述のイスラム陶器の流れを汲みファイアンスと呼ばれる軟陶、オレンジ色の軟らかな素地に錫白釉をかけてコバルトで彩色。まるでサインペンのような単調な筆致で草花が連続して描かれ、東洋のシツコサと南欧の大らかさが調和した作である。

この水注、すでに30年近く、我が家の玄関のウェルカムアート?のメイン。

ところでグラナダのアルハンブラ宮殿やらコルドバのメスキータ(千の柱の回教寺院)の写真を見ているのだけど素晴らしいね。知的で哲学的で素晴らしいのよ。これに比べたらキリスト教文化なんて、なんなのよって感じだぜ。ブッシュお前は間違ってるぜ!って思うのよね。

話は長くなるけれど、アルハンブラ宮殿の写真のなかで我が家と同じ椅子を見つけたよ、我が家の物も100年以上前のアンティークだけど・・・、これについても語らなければイケナイナなんて思う自己陶酔の今日このごろです皆さんいかがお過ごしですか。

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2006年11月27日 (月)

イラン ガラス

団塊堂セレクション ⑭    PERSIA ISFAHAN

「人生はひとしきり続く酔いである。快楽は過ぎ去り、頭痛だけが残る。」

Select_ig_004_1 イランの首都テヘランの南方424キロ「イランの京都」と呼ばれる古都イスファファンの、とある酒場に書かれた銘文だそうな。17世紀に此処を訪れたフランス人宝石商シャルダンの著書「航海」に書かれている。イスラムの嵐にもまれて酒場などというものが今のイランにあるのかどうか。

「恋愛はひとしきり続く酔いである。快楽は過ぎ去り、頭痛だけが残る。」

「結婚はひとしきり続く酔いである。快楽は過ぎ去り、頭痛だけが残る。」

「宗教はひとしきり続く酔いである。快楽は過ぎ去り、頭痛だけが残る。」

「情熱はひとしきり続く酔いである。快楽は過ぎ去り、頭痛だけが残る。」

「蒐集はひとしきり続く酔いである。快楽は過ぎ去り、頭痛だけが残る。」

                  なんてどうよ。

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2006年11月26日 (日)

イラン 彩画花鳥文子持壷

団塊堂セレクション ⑬  IRAN ISFAHAN

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古代から中世にかけて世界には三つの文化の中心があった。東の中心が中国、西の中心がローマ、その中間にイスラーム。陶器の世界でも中国、ローマ、イスラーム(サラセン)の三つの中心がうまれた。

西方では初めローマの陶器が代表的な物であったが中世に入るとイスラームの陶器が首座を奪う。イスラームの陶器は、西のビザンチン帝国や地中海のキプロス島・シシリー島、さらにイベリア半島の陶器にも影響を与え、つまりビザンチン陶器、初期マジョリカ、イスパノモレスクを生み出した。

ナニイッテルノヨ、イランノミヤゲモノデショってか?

もちろん、そうだけど、それで終わってしまったら、IWANAがパーレビ王朝崩壊の前夜に手に入れ今日まで30年間、ローカの隅で大切に放っておいた意味が無いではないか。

この不思議な形だって名古屋の近くの猿投(さなげ)古窯の猿投山麓出土子持壷つまり平安時代の須恵器の形にあるのだし偶然みたいだけど、模様だってルリスタン銅器の鳥形の系列の嘴が鋭くて大きく見開いた目を引き継いでいるのよ、鳥をとりまいて必ず花模様があり色彩は輪郭線が全て紫褐色、鳥だって恐らくゾロアスター教徒が天への使者と考えていた鷲鷹のたぐいだろう。ペルシア陶器のお約束をきちんと守っているのです。紅褐色の胎土に白下地をかけ彩色、更に透明釉で覆う。

つまり世界には色々な文化があって一辺倒では無いって事。それでいて何処か必ず繋がっていて・・・。ペルシア陶器って和室でも全く違和感ないのよね。つまりイランと日本は上手くやっていけるって事、コイズミくんとブッシュに教えてあげたいのよねアベチャン。

この不思議な形、偉い先生がイランには花が沢山あるからいっぱい挿したなんて書いてるけど、これってどうよ。

飲み口が三つある水飲みじゃないのか?

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2006年11月25日 (土)

ドーム フルート シャンパングラス

団塊堂セレクション ⑫   DAUM FRANCE

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T様がアルザスへ旅行中という事でフランスに思いを馳せていたら、昨日はT様に掛けてオーストリアのガラスを出してしまったけれど、昔、T様に聞いたオーストリアの女の話が強烈だったもので、そう言えば、茶箪笥の奥にドームが未だあったことを思い出して、見せびらかし、いやお披露目の準備にかかった次第。

値札が残っていたので見てみると、アノ頃のIWANAの給料と同じくらい、ドルが未だ300円台の頃でなかったかしら。シャンパンなんてクリスマスにケーキ屋さんで買う甘い奴しか飲めなかったのにこれってどうよ?

でもね、円高のおかげで安くなったのよガラスも酒も。郊外の酒のスーパーなんて処へ行くとリタイアのIWANAでも現実的なシャンパンが沢山あるのよ。

ひがんでばかりいないで楽しむって事も大事だよね、でもシャンパンって最近、風俗ギャルがホストクラブでってイメージ。あのシャンパンタワーのグラス、グラスが違うって思うのよね、シャンパンってやはりフルートグラスなのよって、些細な事にこだわって生活の全体像を見失いそうな今日この頃です、皆様いかがお過ごしですか。

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2006年11月24日 (金)

ヘルガ・ダネック作 エナメルペイント デキャンター・リキュールグラスセット

団塊堂セレクション ⑪   Helga Danek Exclusive Glasmalerei

長らく失業者だったT様が、ようやく12月から働く事になった、自分から鬱だウツだと言っていたT様が仕事が決まったとたんメールが来なくなってドウシタと思っていたら、今、成田にいます、ドイツからフランスのアルザスに飛びますって。

それってどうよ?かっこ良過ぎでないかい。アルザスってあのガレやドームのナンシーじゃないのか?クソッ!アルザス万歳ってか?

ならば、今回は、T様が四十路半ばに荒らし回ったオーストリーの女、いやガラスのお出まし。

オーストリアのガラスの街ラッテンベルグのペイント職人Heiga Danek女史の手描きペイントのデキャンターセット。

Select_003a  エナメルペイントとは、ローマ時代からの技法で、低温で融ける色ガラスの粉末を松ヤニの入った油で溶いて、油絵を描く要領でガラス表面に絵付けして550~650度の温度で焼き付けたもの。

ところでオーストリアでは写真撮るときVサインは禁物なんだよね。Vってアレだものね。

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2006年11月23日 (木)

如意雲に魚文三足鉢

団塊堂セレクション  ⑩     中大路優

Select_024 行く雲の流れが水面に映り魚が跳ねる。作者のアィデンティティとも謂える如意雲が不安と希望を増幅させる。口縁部は唐草模様に緑釉、血塗られような赤。赤はマグマの様に溢れ出しあの日の闘いを想い起こさせる。

Select_025 底部にも情念の渦巻き模様の陰刻それを覆う翡翠色の釉薬。作者の徒ならぬ過去の葛藤を見るようだ。IWANAは隠れている、この底部が好きだ。

Select_026 我々、団塊の世代の去ったポッカリと穴のあいたようなキャンパスに作者が立ち、虚しさと空白の学園の中で、少し前の激しい闘いの余韻を感じながらの自分探し、泣いて止める母親を振り切って「大学」を中退・・・流浪のはてに工芸の途へ・・・なんて、IWANAは勝手に作者のストーリーをでっち上げてシンパシイを感じてしまっているのです。間違っていたら御免。デパートの個展でメインを張ってた作品だもの、頑張って買ってしまったよ。

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2006年11月22日 (水)

如意雲透彫り 削出し八角香炉

団塊堂セレクション  ⑨     中大路優

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中大路優。素晴らしい作家なのです。団塊の世代のほんの少し後ですが空気は同じです。我々の世代の魯山人であり浜田庄司だと思うのです。金属工芸・陶芸・書画まさに才人です。

竹風醒酔 ちくふうえいをさまし

窓月伴吟 そうげつぎんをともなう

竹林を渡ってくる風が酔いをさまし窓から射し込む月の光はまるで詩を吟じている様だ。

八角の香炉の面を気分で換えて漢詩の一字々を楽しんでいます。

Select_015 香炉の命、火舎は洋銀の透かし彫り、鎚目の地に如意雲、繊細で知的でポップ。

この作家1953年 京都市生まれ 関西大学中退後 独学で金属工芸を始める、以来、陶器製作、墨絵を独学で・・・。独学っていいよね。溢れ出るモチベーションが先にあって学び、作る。こんな作家こそ世の中の真ん中を歩いて欲しいよね。いまひとつダイナミズムを得る事が出来たら凄い奴だと思うのよ。場さえ与えられればきっと出来る作家だよ。

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