オールドノリタケコレクション

2017年2月 3日 (金)

ハリウッド映画の初期にトップスターであった早川雪州の「チート」を観てオールドノリタケについて考える。

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古典的ハリウッド映画に分類される20世紀初期の無声映画の時代のハリウッドで、チャップリンと肩を並べる程の大人気であった映画スター・早川雪州を世に送り出すこととなった「チート」1915年 は、アメリカに渡り巨万の富を得た日本人美術商トリと堕落した白人中産階級の有閑夫人イーデスの関係を描いた無声映画だが、映画のストーリーはウィキペディアに任せるとして、

 

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20世紀初頭のアメリカで日本美術を商って、巨万の富を得た美術商という主人公の設定は、山中商会やオールドノリタケの森村ブラザースのアメリカでの成功を思わせるものであって、当時のアメリカのアートシーンを席巻したJapanese Taste日本趣味と、日露戦争の勝利など台頭しつつある日本人へのYellow Peril黄禍論の高まりを感じさせるものだ。

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「チート」は、赤十字の基金を使い込んだ有閑夫人のイーデスが、交際する金満美術商のトリに借金を申し込み、返済不能ならば、イーデスの背中に焼き印を押すというショッキングなものだったが、

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背中に焼き印を押すなどという趣味は日本人には無いわけで、その設定が国辱物であると邦人からも大反発を買い、この映画は日本では上映されることはなく、チャップリンと並ぶ大スターとなるも、雪州の日本への凱旋はならなかった。

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1880年代以降ヨーロッパでの流行を取り入れるかたちでアメリカにもたらされたジャポニズムは、当初からハイアートとして位置づけられ、洗練された日本の美術品や工芸品を家庭空間に取り入れることは、文化的リーダーとして社会的地位をしめす重要な要素であった。

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これが問題のイーデスの背中に焼き印を押すシーンなのだが、テキサスのカウボーイでもあるまいに、背中に焼き印を押すなどと言う設定は黄禍論を反映した、為にするものだという反発も納得ができる。

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在米日本人の抗議と第一次世界大戦の同盟国でもあった日本への気遣いによって1918年の再上映からは、字幕の設定だけはビルマ人の象牙商となったが。絵的にはそのままで、着物を着た日本人の部下もそのままだ。今回アマゾンで手に入れたDVDは、このビルマ人版だが。

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「THE CHEAT」は、ヨーロッパ各国、とりわけフランスでも大ヒットとなる。1920年代のアメリカの反日感情の高まりのなかで雪州はアメリカを去りフランスへ渡り、「ラ・バタイユ」(1923年)を始めフランス映画産業の一翼を担う大スターとなった。

 

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さて、こうして映画を通してエドワード期やベルエポックのアメリカをみると、アメリカでのオールドノリタケの 位置もみえてくるし、このところ見てきたイーストレイクスタイルのアンティークやヴィクトリア後期のアンティークがまた輝いてみえてくる。

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アールデコ期のアメリカも、

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オールドノリタケのデコレディのアメリカも見えてくる。

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映画の著作権保護期間の70年をとっくに過ぎているので、DVDを遠慮なくキャプチャしてみた。

 

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アンティークの楽しみは無限です。

 

チート THE CHEAT

監督 セシル・B・デミル

キャスト 早川雪州/ファニー・ウォード/ジャック・ディーン/ジェームス・ニール/阿部豊

1915年 アメリカ作品

 

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2016年10月16日 (日)

オーストリアのO&E.Gのアンティークカップ。

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The O&EG Royal Austria hallmark on porcelain was originated by Oscar and Edgar Gutherz of Alt-Kohlaw, Austria between 1889-1918.

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このごろは、グーグルの検索で、メーカー名もマークの検索も、とても簡単にできる。

O&E.G AUSTRIA MARKSぐらいで画像検索すると、おもしろいほど“オールドノリタケ”そっくりの物が現れる。まさか、向こうが真似たなんて言う人はいないよね。

 

ールドノリタケ 画帖(ノリタケ創立100周年記念復刻版)

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2016年6月29日 (水)

ヴィクトリアンのイーストレイクスタイルのブラケットで部屋を飾る。

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さて、アメリカンアールデコのコレクターでもある老人が、これってアメリカンアールデコの代表的なスタイルじゃんsign01って飛びついたワケで、こんな物を我がアンティークコレクションルームに迎え入れることが出来たら最高だな、まあエドワーディアンな改装計画としては少し外れるけれど、このブラケットを、棚受けでは貧乏臭いけれど、二つを向かい合わせで垂れ飾りみたいに使ったら、オシャレじゃんって。

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なにせ我が家のエントランスには、退職記念に取り付けたオーダーのアルミ鋳物のアールデコの垂れ飾りがアイコンとしてあるわけで、その連続性は、きっと王国にダブルでアールデコ的効果を表すに違いないと、飛びついてしまったワケだが、今日も、ほとんどのリーダーの皆さまの興味とは関係ない話題で恐縮。

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オークションの出品者は、アールヌーボーでアールデコでヴィクトリアンなどとテンコ盛りのタイトルを付けていて、おいおい、アールヌーボーとアールデコでは、全然違うじゃん、ましてヴィクトリアンなんて支離滅裂で、年代は1890年ときて、しかし、その証拠を1890年のモントゴメリーワードというアメリカの通販のカタログに同類の物が出ているとしている。

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そうなるともう、老人としては調べることだらけで、美のシャーロッキアンと化してグーグル検索と翻訳ボタンを頼りに世界中を訊いて回ったワケだ。
 
今も、この手の物をリプロダクションしているメーカーなんかもあってウットリ
する写真に出会って、しばし生活のことなんか忘れて、没入の至福。
まさにギルテッドエイジつまり、金ピカ時代のアメリカなんだ。成金時代とも言うがね。

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さてさて、そんなこんなの検索のなかで頻繁に出てくるのがEASTLAKE STYLE という言葉。まだ日本語の検索ではあまりヒットしないが、さすが東京のパンカーダさんのブログにはあった。

 

ヴィクトリアンのイーストレイクスタイル。

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ロンドンナショナルギャラリーの館長で、家具デザイナー・建築家・画家でもあったチャールズ・ロック・イーストレイク卿(1799-1865)の、1868年に出版された「家具室内装飾、ディテールのヒント」に影響を受けたEastlake Movementといわれる装飾スタイル。

 

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1870年代から1890年代に流行したクイーンアンスタイルの建築と相まってアメリカの住宅様式に画期的な一時代を作った。

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アーツ&クラフトの流れをくむフォルム、幾何学模様のカーヴィングが特徴。

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現代の眼からみると装飾過剰ではあるが、ヴィクトリアンの過剰な装飾から見ればシンプルで、歯車のモチーフなど今風に言えばスチームパンク。薄い彫りで大量生産的ではあるがブルジョアジーの産業革命の機械化への歓喜が読み取れる。ヨーロッパの混乱をよそに、ひとり繁栄を謳歌するアメリカ。

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ということで、早速クリーニングとペイント 。

このブラケット、まさにヴィクトリア時代のアメリカのイーストレイクスタイルのブラケットなんだ。

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様式としては、ヴィクトリア期の、フランスのアールヌーボーの洗練とは一線を画したイギリス的なもの。アーツアンドクラフト運動を世に出したイーストレイク卿のイーストレイクスタイルで、やがてくるアメリカンアールデコのはしりであり、アメリカンスタイルの萌芽期の民衆的スタイルと言えるのではないだろうか。

 

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このあたり、アメリカへ輸出されたオールドノリタケのメープルリーフ期 の磁器とも時代が重なるわけで、一緒に見てみると、メープルリーフ期のオールドノリタケの過剰装飾の背景が読めてとても面白い。アンティークって、横に繋げてみるとマスマス面白くなる。

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ということで、時代としても、我がエドワーディアンな改装計画とは外れてはいないワケで、先日の、毎日が夏休みの老人の夏の工作、エドワーディアンな壁掛けミラーと合わせて、コレクションルームの一角を演出することとなった。

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貧乏くさい棚受けが、お洒落な垂れ飾りに変わったではないか。

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今日も我が王国は、国民の歓喜の声がやまない。

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美の女神は王と共に居ます。ナンチャッテ。

 

 

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2016年2月21日 (日)

オールドノリタケ ピエロのフィギュア。

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久しぶりに陶器を撮ってみた。

オールドノリタケ アールデコ ピエロのピンティッシュ。

オールドノリタケファンがデコレディと呼ぶフラッパー、アールデコ期のピエロのフィギュア。

この、孤独感がたまらない。

裏印 HAND PAINTED M-JAPAN アメリカ向け輸出品

        1918年大正7年以降 1931年昭和6年以前。

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2015年11月 9日 (月)

オールドノリタケ 盛り上げナッツボウル。

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暖炉の前がいい季節になりました。

今年はもう、栗きんとんも栗おはぎも栗どらもいただきました。

もう一つ、栗きんとんロールというのを食べたいな。

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オールドノリタケ モールド ナッツボウル

裏印 グリーン HAND PAINTED M-JAPAN

大正7年頃(1918) 米国輸出向け

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2015年11月 3日 (火)

オールドノリタケ イッチン盛り上げドラゴンパターンのカップ&ソーサー。

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裏印 グリーン M-NIPPON(日本陶器時代の代表的な裏印)

明治43年頃(1910) 米国輸出向け

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2015年11月 1日 (日)

オールドノリタケ デコレディ ピンディッシュ。

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オールドノリタケ デコレディ ピンディッシュ

裏印 HAND PAINTED M-JAPAN 1918年頃(大正7年)

米国輸出向け

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コレクターが何度も、手にとって楽しむように、なんどもなんども写真に撮って楽しんでいるんだ。

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2015年7月10日 (金)

オールドノリタケ フライングスワンズのデミタス。

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さて、オールドノリタケのフライングスワンズをロイヤルウースターのコピーだと書いたこともあったけれど、コピーは少し言いすぎで、オールドノリタケとしては画題を良く消化していて、もちろん明治の後半だから、職人としては、日本画の定番の鶴でも描きたいのだが、輸出品だから白鳥のオーダーに従ったワケだと思うが、明治の輸出陶器としてはバランス良く日本を主張できていると思う。

裏印

Dsc02086ブルー メープルリーフ印

1902(明治25年)~1910(明治43年)アメリカ輸出品

現代の感覚で観ると、金彩といいビーディングといい画題といい、なんだか仏具の様だと思わなくも無いが、オールドノリタケがようやくグロテスクを脱し本当の日本を表現できるようになった物といえる。

これも、ネットの画像検索では、オールドノリタケのトップページの上位に貼り付いたままの人気コレクション。

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2015年7月 4日 (土)

オールドノリタケ 吹き絵付けのマットな花瓶。

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ポーセリンマーク Dsc01883

グリーン M-NIPPON印

1910年頃(明治43年頃) 米国輸出向け

オールドノリタケだって、渋くて趣味の良いものもあるんだ。

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このところすっかり、アンティーク一色のブログになってしまったが、今度のカメラでアンティークを撮ってみたら、とても調子がいいんだ。

だから、とりあえずオールドノリタケを少し撮り直してみたけれど、厭味かな。

ソニーα6000ってイイね。

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2015年7月 3日 (金)

オールドノリタケ フラワーハンドルのデミタス。

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オールドノリタケ アールデコ フラワーハンドルのデミタスカップ。

1933年頃 昭和8年頃

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日米開戦前の日本とアメリカの関係が怪しくなりつつあった時代のアメリカ向け輸出品。30年代といえば、世界的な大不況の時代。

ノリタケのアールデコの到達点。

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