アンティーク

2019年7月21日 (日)

和傘が載ったアールデコ期のヴォーグの表紙(復刻版)。

 

オールドノリタケのデコレデイに始まって、この春手に入れたフラッパーのポーセリンのドアノッカーから、フラッパーのハーフドールに進んで、バッシングフラッパーが日本の日傘を使っていることに気が付き、アールデコのファッションを調べていくと、面白いほど蛇の目傘が見つかる。

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老人は、かって日本一の和傘の産地だった岐阜市の加納在住ということで、面白いテーマを見つけたものだと、色々と調べてみた。

かって加納の和傘が海外にも輸出されていたという記録はあるが、それがアールデコ期のファッションとして人気だったという記録は地元にはない。

ただ、記録がないから、事実がないという事ではない。地元だから言うが、あの傘貼りの爺様婆様たちが、そんな洒落たことに関心が無かっただけで、その時代は面白いほど売れて、海外へも売れていったから、その先でドウかなんてことを考えていたわけではないから、海外にも売れたという認識だけで終わっているのかもしれない。

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日本の和傘、岐阜の加納の和傘が1920年代から30年代のヨーロッパやアメリカで、

アールデコ期のフラッパーファッションの重要なアイコンであった。というコトを証明するには、どうしたら良いのだろうか。

先日来、フラッパーの写真やら、有名な版画家の作品を幾つかアップしてきたが、決定打が欲しい。

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ならば、当時のファッション誌の権威であるVOGUEの表紙に和傘が載ったなんて事実がないか調べてみた。

雑誌の表紙なら年代もハッキリしているし、証拠として最高だ。

二点程、和傘が載ったヴォーグの表紙の復刻版ポスターをアメリカから手に入れた。


先ずは、1919年7月1日号の表紙。

Vogue Magazine Cover-Helen Dryden illustration

イラストレーター ヘレン・ドライデン(米)

July.1919  Hot Weather Fashions
(1975年復刻)

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さて、海辺に海水浴用のテントと傘が三点。女性のワンピースの模様は浴衣地のようで模様は扇子。スカーフは着物の模様のようでジャポニズム。

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和傘としては、軒のカーブがおかしい。裏側の構造は蛇の目傘の糸かがりがあるが小骨と糸かがりを混同してしまっていておかしい。柄竹が真竹とは思えない。大きなハジキがあるが、この構造では傘をとじることは不可能だ。イラストレーターの和傘についての誤解の範囲だろうか、それとも東南アジアあたりの傘なのか。女性の頭にはターバンがあるではないか。ペーパーパラソルではあるが、日本の物かどうかは不安がのこる。

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傘のディテールは変だが、波の描写は浮世絵風でもあり、全体としてはジャポニズムではある。

ヴォーグはアメリカとフランスでそれぞれ独自に編集発行されていたはずだが、英語表記だからアメリカ版。

 

そして、1924年3月上旬号の表紙。

Vogue Parasol Pretties Cover

Pierre Brissaud

イラストレーター ピエール・ブリゾー(仏)

French Art Deco Paris Fashion Umbrella

(1980年復刻)

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パリのパラソルの店の店頭のイラストだが、洋傘の真ん中に蛇の目傘がある。
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ただし和傘とおぼしき物の内側は小骨も糸かがりも省略されている。


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左上の洋傘は骨も小骨も描き込まれているが骨の本数が少ないから描き込まれているだけで、骨の本数の多い和傘でこれを描き込むことは困難だ。デフォルメ(省略)されたと考える。

ということで、残念ながら和傘であるという決定打にはなりえない。
冒頭の5点の写真の方が証拠としては意味がある。
もう少し明瞭に和傘であることを証明できる写真をアップしてみる。

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やはり写真の方が明解だ、キャプションにもジャパニーズスタイルとある。

まあ、流行の最先端のヴォーグの表紙に和傘らしきペーパーパラソルが掲載され、流行のファッションであったということは間違いない。
パラソルとアンブレラの違いは、日傘と雨傘の違いで、日本の蛇の目傘はペーパーパラソルと呼んで日傘として人気があった。
(もちろん和傘は、唐傘ともいい中国由来であり、中国にかぎらず東南アジアでは竹と紙で出来た色々な傘があった。)
この時期のファッションボードには日本のパラソルと表記された物がある。
ペーパーパラソル、いかにもフラッパーな気分だ。


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復刻版ポスターだけれど、恭しく額装してやろうと思う。
かっての和傘産地 中山道 加納宿に密かに在って意義ある物だと思うのだが。


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と、昨日の夜の「郡上おどり」の疲れが残るなか、朦朧として書いたプログだが、間違いがあったらゴメン。

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2019年7月16日 (火)

ART DECO 1920-30s STYLE PORCELAIN BATHING LADY FIGURINE

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アールデコ期のフラッパーファッションと和傘の関係を何度も書いているが、

ビーチフラッパーが日傘として蛇の目傘をさしている写真やイラストは、洋傘のものより圧倒的に多い。

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ペーパーパラソル

カラフルな紙と竹という組み合わせが、リゾート的だったのだろうか。

ただの異国趣味ではないのが、日本人としてはうれしい。

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スポーツやレジャーが特権階級から中産階級まで降りてきたのが19世紀なかば、

海水浴の効能が説かれ一般の人々が海辺へ出かけ始めたのが20世紀に入ってから。

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1920年代は、女性が水着を着て、泳ぎを始めた時代だ。



今回は、赤のホリゾントストライプの水着のビーチフラッパー。

これまで紹介したビーチフラッパー三体がいずれも海水浴用のゴム靴を履いている。

泳ぐというより、水辺で遊ぶという時代の名残りだろう。

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前回のフィギュアとペアにしても面白いと落札したが競争相手は7人いた。

8センチと、サイズもカワイイ。イギリスから来た。

 

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このまま、化粧品売り場のショーケースに入れたり、美容院のウインドに飾ったら面白い。

 

  

我が家のビーチフラッパートリオだ。

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マイセンの宮廷シーンのフィギュアもいいが、これもオシャレで面白い。


日本の蛇の目傘とアールデコという面白いテーマを見つけた。

和傘とアールデコの結びつきなんて信じられないという、そこの貴方、


まだまだ面白い物が・・・。

 

 

 

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2019年7月 9日 (火)

ベルギーのシーサイドリゾート ブランケンベルヘのお土産。和傘をさしたアールデコのBathing Beauty。


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さて、先日アップした和傘をさしたビーチフラッパーのフィギュアがとても良かったから、また手に入れてしまった。

アールデコ期のフラッパー、Bathing Beauty。もちろん和傘・蛇の目傘がポイントだ。

傘を除けば10センチ足らずの小さなフィギュアだ。


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ベルギーのシーサイドリゾート・ブランケンベルヘの地名が入っている。


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古希老人のコレクションとしては、すこし気恥ずかしいのだが、海水浴のお土産のお人形さんで、とてもカワイイから・・・。

いかにもアールデコ的で、1920年代のビーチフラッパードールとして秀逸だと思う。

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ベルギーのBlankenbergeは、周辺の国からも観光客が訪れるシーサイドリゾート。
上の着彩写真は19世紀末のブランケンベルヘ。
まだ海辺で遊ぶ程度で、女性が水着で泳ぐというのは20世紀に入ってからだ。
水着の登場が、ちょうどアールデコ期と重なる。
     
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やはり、日傘として日本の蛇の目傘は大活躍だ。
アールデコ期は、現代のファッションの基礎が固まった時期だが、
水着の登場はアールデコ期を象徴している。

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水着の黒は、透けて見えるのを防ぐためだが、まだ水着用の素材が無かった時代だ。

岐阜の加納の和傘とアールデコ ビーチフラッパーの話題は、まだまだ続きます。

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この二週間ほど、ポールポワレからシャネル、そしてディオール、サンローランの伝記や資料を続けて読んでみた。
20世紀を、ファッション、とりわけデザイナーの浮き沈みを視点に読んでみたらとても面白かった。
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写真は現在のブランケンベルへ

 

 

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2019年7月 3日 (水)

ART DECO Flapper Pin cushion head.

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アールデコのフラッパーの
チャイナドールヘッド

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Powder Puffのつまみ、ティーコージーのつまみなどに使われたフラッパードール。
人形は、目の描き込みが命だが
上質な描き込みだ。


下は、ロンドンのコレクターの画像。
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老人のコレクションと、キューピーの香水瓶を含めて3点重なる。
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100年の時間を経て

こういう物が、アンティークのステージに上がってきた。


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絵付師のサインらしきものがあるがメーカー名不明。


このところ、老人のキュリオケースに、面白いフラッパードールがたくさん集まって来ている。



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2019年6月26日 (水)

アールデコ VOGUEの表紙風の アンティーク ハーフドール。

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さて、キュビズム風の、あるいはスペースデザイン風の、German half Doll。
ドイツはアバンギャルドも面白い。
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あのヴォーグの表紙の
スペインの画家Eduardo Garcia Benitoの女性像のようで
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ドイツ フォルクシュテッドのベイヤー&ボックのアバンギャルドなアンティークカップと合わせてみたがどうだろう。
メーカー名は不明だが、ベイヤー&ボックに近いかもしれない。
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いかにも アールデコなハーフドール。
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H6.8cmの小さなもの。
老人は、このところすっかりアールデコだ。

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2019年6月17日 (月)

和傘をさした アールデコの フラッパードール。岐阜・加納の和傘が世界のトップファッションだった。

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アールデコ期のフラッパーレデイが和傘をさしているフィギュアを手に入れた。


ドイツ チューリンゲンkatzhutte 
Hertwig & Co. 1930年頃
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1920年(大正9年)から1930年(昭和5年)のアールデコ期のトップファッションであるフラッパースタイルの、水浴びする女性像 bathing beauty dollあるいはBeach Flapper doll。
20世紀初頭の水着といえばこの程度、ノースリーブが当時としては少し過激。

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さて、
かって日本一の生産量を誇った和傘産地 岐阜市加納に住むアールデコ老人としては、何が何でもコレクションに加えるべきアンティークだと、ベルギーのアンティークショップをポチッとしてしまったのです。
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フラッパースタイルは、日本ではモダンガール(モガ)と呼ばれ、パリやニューヨークでの流行と、ほぼ同時に銀座あたりにも出没することになるが、当時の写真をみると、日傘として和傘をさしている。お隣の和装の女性は洋傘なのに。
モダンガールが和傘、和洋折衷のアンバランスがオカシイが、
しかし !  色々と調べてみると、どうやら和傘の方がトレンディで、よりモガでありデコレディ的、フラッパー的であるというコトのようだ。
アールデコ期を代表するフランスの画家 ルイ・イカールの版画にこんなものがある。

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どうみても蛇の目傘だ。
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明らかに和傘が、トレンディなアイテムとして使われている。
当時のファッション画にも、蛇の目傘がたくさん登場する。
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岐阜の“加納の和傘”が百年前、世界のトップファッションのフラッパーの戦略的アイテムだったのだ。
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アールデコ期のファッションは水着も面白い。

ジャンセンの水着が売り出され手足が露出されるようになるのが20年代後半。
これでも、当時としては、センセーショナルな水着姿だった。
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和傘がビーチフラッパーのパラソルとしても人気だった。

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念押しで、日本のビーチフラッパーの写真だ。
百年も前の日本女性だが、ファッションは世界に負けてはいない。
もちろん、全員、和傘だ。
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もう、老人の言う“加納の和傘 ”蛇の目傘がアールデコ期の最先端ファッションであったという説は、どなた様にもガッテンしていただけたはずだ。


蛇の目傘はアールデコである。
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19世紀末のアールヌーヴォーの流行はジャポニズム(日本趣味)の流行でもあり、日本の扇子がマダムのファッションアイテムとして大人気だったが扇子の骨も竹で、岐阜が主要な産地だ。
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アールヌーヴォーの時代から半世紀も下るアールデコの時代まで、実は、岐阜特産の竹や紙、扇子や和傘が世界のトップファッションに深く係わっていた。

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扇子の香などは、とてもイイものだが 、
和傘といえば、あの、漆や柿渋の臭いであったり、えごま油の臭いであるワケで、なんとも日本的で、
はたして西洋のご婦人にどうだったか。

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蛇足だが、フラッパーの旗頭シャネルが、香水No5を売り出したのは1921年のことだ。
江戸時代下級藩士の内職として始められた和傘作り。岐阜の加納城下には、最盛期は600軒の傘屋が存在した。
老人の子供の頃は、廻りは傘屋さんばかり、空き地は殆んどが傘の干場で、紙の防水加工の為の“えごま油”や柿渋やウルシの臭いが街を覆っていた。
今や、傘屋さんは3軒、手の込んだ蛇の目傘を作るのは日本でここだけだという。

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ご近所の傘屋さんが、百年も前にヨーロッパやアメリカのデパートに和傘を輸出していたという記録がある。
しかも、それが当時の、最先端のファッションアイテムだったというから痛快だ。



加納の和傘 
坂井田永吉商店
http://kano-wagasa.jp/index.html

 

さて、もうすぐ “郡上おどり”が始まるが、雨でも踊るのが郡上おどり。

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何年か前に、雨の中、和傘をさして踊る女性の写真が朝日新聞に大きく載ったことがあった。

あれは、とてもカッコよかった。このカメラマン、郡上おどりを知り尽くしているなと感心した。

 

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雨の郡上で踊る“白波五人男”なんてコスプレ、今年の変装おどりに現れないかな。

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ここは、やはり “郡上おどり”と大書した番傘がいいな。

 




でも、和傘って浴衣より高いんだよね。

 

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2019年3月17日 (日)

Fasold & Stauch アールデコ フラッパーのハーフドール。

Antique Art Deco German Fasold & Stauch Flapper Half Doll Paper Label. 

 

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いかにもフラッパーなハーフドールだ。ギャルソンと呼ばれるボーイッシュなスタイル、バケツみたいな帽子クロッシュ、娼婦の様な化粧。

 

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どこを見ても、それまで理想のアメリカ女性像とされたギブソンガールとは対極にある。  H 8cm

 

ギブソンガールとは。


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いわゆる、アメリカの挿絵画家 チャールズ・ダナ・ギブソンが描いた、1890年頃から1910年頃まで流行した、女性が社会進出を始めた頃の、良家の子女風理想的女性像。

アメリカでは、それへのアンチがフラッパースタイルだ。


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ハーフドールは、マリーアントワネットあるいはポンパドール、ギブソンガールといったコンサバなスタイルの物と、トレンディな、アールデコスタイルのフラッパードールという二つに大別出来る。

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ハーフドールの流行は19世紀末から30年頃まで。


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保守的なヴィクトリアンレデイに比べて、キッチュな面白みは断然フラッパーだ。

シャネルがパリに帽子屋を開いてクロッシュ・釣鐘型の帽子で人気を博したのが1910年。

ギャルソンヌ・ルックを発表したのが1924年。

1929年にアメリカから始まった世界恐慌は、あらゆる消費物資の質を落とすことにもなるが社会の荒廃がこうした物にも感じられ、そしてそれが時代の味としてコレクターを刺激する。いわゆるディプレッションアート。


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メーカーのFasold & Staauch社(1903-1972)ファゾルド ウント ステウチ は、ドイツ チューリンゲンの会社で、戦前はハーフドールとフィギュアのトップメーカーだった。ここのフィギュアはファッション性があってとても良い。もちろんスタジオコレクションの様な上質な物から一般的なものまで色々だが。

1930年頃。


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ボディの中には、J.W.Robinson Co.の値札が残っている。


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ロビンソンは、アメリカ西海岸で東海岸・ボストンの上質な商品を提供することを売り物にしたデパートでアールデコの建物が有名だった。


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ジャズエイジのアメリカが、グッと詰まったようなオシャレなアンティーク。1920年から1930年頃の物だから、もう百年もたっているんだ。

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女性解放のエポックとなった時代のブロカント。

オシャレでインテリジェンスに溢れた女性なら、たまらない アンティークのはずだ。


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このところ、エドワーディアンやらブルックリンスタイル、行き過ぎてインダストリアルまで男前インテリアに傾いていたコレクションルームに、少し潤いが戻ったような。

 

 

続きを読む "Fasold & Stauch アールデコ フラッパーのハーフドール。"

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2019年3月15日 (金)

フラッパーのハーフドール。

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さて、ハーフドール。半分人形というワケだが、スカートの部分をピンクッション(針山)にしたり、ブラシにしたり、ティーポットカバーの取っ手にしたりする磁器製の人形で、今でも手芸のパーツとして売られていたりする。

ネットでそれらの参考画像を拾ってみた。

ピンクッション。


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そして、ブラシ。


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ティーポットカバー。


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ハーフドール は大別して、髪を上にあげてそびえさせるマリーアントワネットやヴィクトリアンレデイと、断髪ボブスタイルのアールデコ期のフラッパーに分けられるが、当ブログが注目しているのはアールデコのフラッパーだ。

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外国のオークションのサイトでも、アンティークショップのサイトでも、ハーフドールをどれもこれもアールデコとひとくくりにしていたりするが、造られた時代はアールデコの時代だが、全くアールデコとは別物のファッションがアールデコとされている場合がある。

オールドノリタケの絵皿でも、アールデコ期の物で、こんな絵柄の物がある。


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たしかに、色使いやら構成は、アールデコだが、肝心の女性の髪形は、天にも届きそうなマリーアントワネットで、ウエストはコルセットでギュッと締め上げられていて、前時代的で、これをデコレデイと呼んでいるのは間違い。


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美術の常識がある方ならば、吹き出してしまうマンガチックなものだし、シロートでも違和感を感じるが、輸出陶器の持つ誤解やら勘違いが、レトロなテイストを感じさせて、違和感が面白くもあって、他人に悪趣味と言われようが、ハマっている人もいる。


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さて、今回のハーフドール、フラッパーガールではあるが気品がある。

お決まりのクロッシュと、ローポイントのラペルのコンテンポラリーなジャケット。人形がファッション通信でありメディアだった20世紀の始めの事だ。 H11cm


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といいつつ、まあどう見てもコピーだな。 600円だもの、ついでに買っておいた。



オリジナルはドイツ・チューリンゲンのFasold & Stauch。
 


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絵付けのセンスが違うよね。写真はイーベイから。

Fasoldのコピーのメイドインジャパンも多い。あの第一次世界大戦前後のドイツ製品排斥の時代だ。この時代のアメリカ市場のハーフドールはほとんど日本製になっていたようだ。


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アメリカのネットでは、『私たちはアンティークのハーフドールをたくさん持っています。注文をいただけば、それから完璧に型を取って50ドル程度で一週間以上お時間を戴けばコピーをお作り致します。』なんて会社もある。チャイナペイント用に白生地の物も売られている。これはこれで楽しそうだが。w

コピーで、こんなに語るのもナニだが。


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20世紀前半のアールデコ期は、社会が大きく動いた時代で、人々の考え方に大きな変化があり、とりわけ女性の社会進出が大きく進んだ時代で、ファッションが大きく変わった時代であり、歴史好き、ファッション好きのコレクターとしてはタマラナイ時代だ。


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ただ、残念なことに、フラッパーのハーフドールは、ヴィクトリアンレデイに比べて数が少ない。クリノリンのスカートでないとピンクッションやポットカバーが作れないからかな。

次は、ラベルが残っているFasold & Stauchの本物を。

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2019年3月12日 (火)

アールデコ フラッパー マリちゃんのハーフドール。

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東北の地震以来、なんだかワレモノを集めるのが虚しく思われて、缶バッジやらアクセサリー、ここ数年はイーストレイクスタイルのブラケットやらドアノブ、ドアノッカーと、ひたすら金物を集めてきたワケだが少し“金属疲労”気味だ。

先日、フラッパードールのドアノッカーを手に入れていらいアールデコのフィギュアを見直してみると、ナカナカ面白い世界だなと改めて思った。ドアノッカーもまだまだ集めるつもりだが、ここしばらくは、少しオシャレで華やかなアールデコのフィギュアで遊んでみる。

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オールドノリタケのデコレディは、もうナカナカ出てこないし、ノリタケでも絵付けの良し悪しがあって、マンガみたいな稚拙な顔のものから上質な物まであって、上質な物は、今や大変なお値段になっている。先日のフラッパーのドアノッカーの事で色々と調べているうちに、またフラッパードールの虜になってしまったようだ。

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“おてんば娘”などと言う言葉は今や死語だが、老人の時代は、フラッパーは“おてんば娘”と呼んでいた。


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日本のモダンガールの先駆けの多くは、良家のおてんば娘であり、先進的な職業婦人であり、思想家であり、女性運動家であった。

アールデコスタイルは、大正というつかの間の自由の時代のファッションでもあり、世界とほぼ同時に日本でも花開いた文化であって女性史の研究テーマとしてもとても面白い。


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この時代、ココシャネルが女性をコルセットから解放した話は有名だが、シャネルやポール・ポワレのアバンギャルドなファッション、これがフラッパーのファッションであり、アールデコのアイコンだ。

アメリカでは、いわゆるギブソンガールという1890年頃から1910年頃の理想的なアメリカ女性像から“華麗なるギャツビー”の世界、フランスではギャルソンと呼ばれるボーイッシュなスタイル、煙草をくゆらせ、酒場でジャズに興ずる、退廃的でイケナイ女性たちへの理想像の転化が起こった。フラッパードールはその時代の土偶なんだ?

ハーフドールの世界は、大きく二つに分けて、髪型がマリーアントワネットやポンパドールあるいはギブソンガールといったスタイルと、断髪ボフのフラッパーがある。

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圧倒的にファッショナブルでスタイリッシュでキッチュなアールデコのフラッパーがアンティークとして面白い。小さな声でしか言えないが、男も女も上手く遊んだヤツの方が魅力的だ。

A Vintage Antique German Porcelain Flapper Lady Head Pin Cushion Top.


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少し化粧が濃いが、バケツのようなグリーンのクロッシェ、ギャルソン風の蝶ネクタイ、いかにもフラッパーだ。ハーフドールというよりフラッパーヘッドだが、眼のなかまで細かく描き込まれている。ハーフドールのカテゴリーとしては上質な絵付けがなされている。 シアトルから届いた。H5.5cm  

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なにより、この面影が、友達のグッチ爺が愛した、我が劇団のマドンナ、金城大学のマリちゃんをケバクしたようで 、胸にチクチクと来るものがある。マリちゃんのボブは、とても良かったな。マリちゃんは、ボブスタイルだったけれどフラッパーではなかったから念のため。

あれからやがて半世紀にもなるんだな。グッチ爺はしぼんでしまったが、マリちゃんはまだ美しいと思う…たぶん。

お婆さんになってもマリちゃんはボブだろうか。

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2018年6月30日 (土)

スコットランドのクラン マクリーンの紋章のドアノッカー。

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スコットランドの、最も古く有力な氏族 クラン マクリーン(Clann Maclean)の紋章A tower embattled Argent(闘う尖塔)のアンティークドアノッカー。

尖塔を囲うベルトはイギリス最高位のガーター勲章のガーター(靴下留め)のモチーフ。 

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ガーターには一族のモットー VIRTUE(徳) MINE(責務) HONOUR(名誉)。

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スコットランド西部のアイランズ地方が、マクリーン一族の、かっての支配地域。

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ドアノッカーは、ドア飾りでもある。氏族の紋章をドアに貼るというモチベーションは洋の東西を問わずあるようだ。

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ドアノッカーの面白さは、昭和の若者に流行ったステッカーや観光地のペナントに通じるところがあって、老人も中学や高校生の頃、VANやJUNのステッカー、修学旅行で買った日光東照宮のペナントを部屋に貼って悦に入っていた。そのステッカーを3D化して、真鍮という重量感のある物で作ったような、“本物感”が、老人のボーイズハートをクスグルのです。

ストライクプレートには、スコットランドの国花・アザミの花が隠れている。造りの良いドアノッカーです。

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スコティッシュな物、ケルティックな物が好きだ。
クランマクリーンのタータンチェック。スコットランドでは氏族ごとのタータンがある。

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