さて、もうヤーメタ

と言いながら、老人は、この夏からまた激しくアンティークしているワケだが、イギリスのEU離脱国民投票によるポンドの暴落と、経済不安からイギリスのオークションは閑散としていて最低価格での落札が続いて、さすがにプロの出品者はオークションはやめて、即決のみの出品となっているが、ときどき善良なシロート衆が、競り上がるものと思って、とても低い価格でオークションに出品してくるから、ユーラシア大陸の向こうの東洋の島国の姑息な老人が、そーっと、ほんの少し上乗せしてスナイプ入札をしておくと、誰も競り合う御仁がいないから、落札してしまい、さらにイーベイの二位価格というヤツで始めの値段で決済となるわけで、ほとんど“持ってけドローボー状態”の今日この頃、皆様いかがお過ごしですか。
思えば十数年前、オークションに参加しはじめた頃、超の付く円高とリーマンショックで、アメリカではおもしろいほどアンティークカップが安値で落札できた。
今回のポンドの暴落も、対ポンドでは円の暴騰。売り手の不幸は、買い手の幸福。まるでシェークスピアの世界のようだ。
オークションという楽観的なシステムは、経済不安の元ではその残酷さを倍増させる。
さてさて、ヴィクトリアンだろうかジョージアンだろうか、リプロかな、ケルビムのドアノッカー。よくあるテーマだがストライカーのデザインが武骨で、イタリアともフランスとも違う珍しいものだ。長さ18センチもあり、フロントドア用。古いドアノッカーは、シンプルモダンの家の壁面装飾にとても効果的だと思う。
イギリスから届いた段ボール一杯のアンティークドアノッカーを前に、老人は今、天使のようにシアワセだ。
今年の夏は色々と熱かったな。
今回は、面白い物をたくさん戴いた。
しかし、お小遣いも少ないし、まあホドホドにしておこうと思う古希間近の晩秋の老人だ。