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2016年11月16日 (水)

玄関の隠しブラケット。

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さて、shelf brackets(棚受け金具)を垂れ壁の様に使うというやり方を、我が家のいちばんの見せ場である玄関でやってみた。
 
玄関ドアは高さがあるから、ブラケットとしては大きな物が必要となる。
 
テーマとするエドワード期は、まさに20世紀初頭であるが、全体を支配していたデザイン様式は、やはりロココのコピーであり、それを簡略化した前時代の残滓ヴィクトリアンなものであった。
台頭してきた、20世紀的モダンデザインの思想とは“装飾は悪であり、不要である”とするものだった。21世紀の今もなお、その思想は健在だが。
 

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ヴィクトリア期の過剰な装飾に飽きた、モダンデザインへの過渡期の、いわゆるエドワーディアンな物というのを探してみた。
 
パターンは、ギリシアに起源を持つ植物文・唐草文あるいは蔓草文。極めてオーソドックスな物だ。
 
ここまで、ブラケットは全て真鍮を意識してアイアンも金でペイントしたが、玄関ドアが黒なので、金では派手すぎるから、黒の艶消しでペイントしてみた。

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普段はドアの黒に隠されているが、ドアを開けると内と外の明るさの違いでブラケットが浮かび上がるという計算だ。
実は、我が家の玄関は、北向きで奥まっていて、昼間でも中庭の採光のお陰で室内の方が明るい。もちろん夜は電気で中の方が明るい。つまり外からの来客にシルエットでブラケットを際立たせようという、地味だけれど派手という、いささか考えすぎた演出なのだがどうだろう。

 

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イギリスから届いた時は、古いペンキがコッテリと覆い、取り付けてあった建物の木材がそのままという状態だったが、こういう物をリペアするのは楽しいし、リブロが多いカテゴリーだから、確実にアンティークであることが確かめられてイイ。クリーニングに半日かかったけれどね。

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ブラケット(棚受け金具)という庶民的なアイテム。当然のことながら棚などと言うものが宮殿の表舞台にあるはずもなく、貴族の館の客間にある物でもない。せいぜいカントリーハウスの裏方の領域、あるいは農家の納屋に在るものだが、そういう実用的な物を、用途とは関係なく、垂れ壁のように、あるいはアーチとして、ハレの場で装飾的に使うというヤリ方は、老人の美の階級意識の文法であり、庶民の生活の美の再発見なんだ。
 
あの、宗教的民芸派の、“用の美”の白樺派的ゴッコに比べて遥かに意味がある。と、思う。  な~んちゃって。

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