エドワード7世の戴冠式記念ガラスビーカー。
さて、ガラスのテクニックとしては簡単なもので、ドットで模様が付けられた型の中で吹いたガラスのコップで十九世紀末から二十世紀初めのガラスの工業的な大量生産により庶民の生活にもガラスが行き渡った時代のもの。ジョージ5世の時代より、父親であるエドワード7世のグッズの方がガラスの物が多いのは世紀末のガラス文化のなごりだろうか。
Edward Ⅶ 在位 1901-1910
さてさて、エドワード7世は、皇太子として60年、国王としての在位はたったの9年。これは母親のヴィクトリア女王に「悪ガキ」の烙印を押され、イジメに近い厳しい教育を受けた結果、さらに道をそれて放蕩を究めるコトとなり、母親との断絶により結婚後も、隣国フランスの娼館に入り浸り、当代一流の女優サラ・ベルナールなどとも浮名を流すありさま。
国王即位の当時の愛人は、アリス・ケッペルという美人なのだが、驚いたことに、ダイアナ妃と別れたチャールズ皇太子と再婚したカミラ夫人は、このアリス・ケッペルの孫の孫、つまり玄孫(やしゃご)だと言う、チャールズはエドワード7世の玄孫の子、つまり来孫(らいそん)にあたるワケで、まことに因果は巡るのである。
そんなエドワード7世なのだが、国王としては「エドワード平和王」と呼ばれ、外交に素晴らしい持ち味を発揮して評価が高い。下積みの苦労が実るワケだけれど、寿命は残酷で下積み60年・国王在位9年で人生を終えるのだ。まるで夏の日のセミのようではないか。
Antique Rare Edward VII Coronation Glass Beaker 1902
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