« 第62回玉性院節分つり込み祭り。 | トップページ | お米屋さんの。 »

2013年2月 6日 (水)

オールドノリタケ エジプト風景のナッツボウル。

L1005634

オールドノリタケの、特徴的なランドスケープ柄のエジプト風景のスクエアボウル。裏印はグリーンのマルキ印(英国向け)。明治41年(1908)頃。

19世紀末から20世紀初めにかけて、ヨーロッパではオリエントブームが巻き起こった。19世紀前半には、フランスのナポレオンのエジプト遠征があり、続いて産業革命で力をつけたイギリス帝国主義が、やがて来る石油の時代を見越して中東を蹂躙する。中東の悲劇の時代なのだが犯す側はロマンだという。

大英博物館に初めて行った時は驚いた、「盗品博物館」なのだ、しかも墓場まで暴いてミイラまで盗んできて展示しているのだ。紳士の国は、野蛮な国だな、泥棒の国だな、恥知らずの展示だなと思った。一ヶ月のロンドン滞在中の散歩コースはリッツからテムズ河畔を通りビッグベンからコベントガーデンに戻りホテルに帰るものだったが、テムズ河畔の巨大なオベリスクを見上げながらフランスとイギリスが競ってエジプトから移した「クレオパトラの針」こそ泥棒帝国主義の記念碑なのだなとオイラ傷ついていたのだ。

さて、明治41年(1908)というから、まさにオリエントブームのイギリスに輸出された、ノリタケの物なんだ。

中央にはピラミッドの遠景があり、パーム椰子の水辺の風景、つまりノリタケが好きなツリー&メドウのパターンが描かれ金点盛りと周辺はアシッドゴールドで装飾されている。

L1005639

この時代のノリタケは完全な白磁ではなく、微かにブルーとグレーが感じられる。以前書いたが、ノリタケの二人の技術者がオーストリアのビクトリア製陶所から白磁の製法を産業スパイもどきの方法で盗みだすのが明治45年の事だから、このボウルはその4年前という事になる。ランドスケープ柄で器の全面を色で塗りつぶすのは、色の黒いを隠す苦肉の策でもあったわけだ。

少しの違和感、これがまたアンティークの風流でもあって、オールドノリタケの違和感こそ、西洋と東洋の距離感であり、明治と平成の時間差でもあるのです。この違和感や、距離感や、時間差がアンティーク味の成分でもあるのです。

L1005634

|

« 第62回玉性院節分つり込み祭り。 | トップページ | お米屋さんの。 »

アンティーク」カテゴリの記事

オールドノリタケコレクション」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: オールドノリタケ エジプト風景のナッツボウル。:

« 第62回玉性院節分つり込み祭り。 | トップページ | お米屋さんの。 »