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2009年12月 1日 (火)

1羽の白鳥を盗む者、2羽も3羽も白鳥を得る。ニッポン物アールデコのカップ&ソーサー。

091117_003 アールデコ期のアメリカへの輸出陶磁器であります。さて、誰の目にも明らかにアールデコなのですが、アールデコは、こうだからアールデコなのだと一言でいうのは、アールヌーボーに比べて難しい。

あの、クネクネとした曲線のヌーボーに比べて直線的という特徴があるが、例えばこの絵付けなどどう説明しようか。

末續尭氏は「日本のアールデコ」のなかで、この絵のパターンを「分解再合成の手法」Reorganizingと定義している。日本独特の展開で、絵柄を平面的な幾つかのパーツに分け、再び合成したもの、としている。

ナイーブなこの絵のテーマ、白鳥を盗んだ盗人を、仲間の白鳥が必至に追いかけるホノボノとした白鳥の友情物語だが、さてこの盗人、一羽の白鳥を盗んだら仲間の白鳥まで付いて来て、さらに(皿に)カップの一羽も含めれば合計三羽の白鳥を手に入れる事が出来るわけで、まさに“濡れ手で粟”なのである。友情もホドホドにという教訓を含んでいる。なんて解釈がヒネクレ過ぎか。

091111 裏印は、オールドノリタケと類似しておりハンドペインテッドジャパンとあり、ノリタケと同じ下がり藤を逆転させた物、中にIEとあるのが企業名であろうか。大正あるいは昭和初期の名古屋絵付け、オールドノリタケのウッドランドパターンと同類。と思う。

091117_002_2  さてさて、たとえば昭和10年頃、日本の珈琲碗皿の66%は岐阜県の滝呂(現在の多治見市滝呂町)で作られていたという。ちなみに昭和9年(1934)のアメリカの陶磁器輸入高の68%が日本からであり、ドイツから18%、イギリス5%、チェコスロバキア4%、フランスその他が5%だったという。岐阜県の東濃地方・愛知県の瀬戸・名古屋の陶磁器商社の輝かしい時代だったのです。やがて日米戦争に突入する前夜の事である。

ひと足早く里帰りしていたオールドノリタケのデコと一緒に記念撮影。今夜も我がコレクションルームでは、陶器たちが、アメリカでの暮らしを振り返りながら、なにやら同窓会。つらかったとか楽しかったとか。

Nippon Demi Cup & Saucer Man Stealing Geese Art Deco

091117_004

参考 日本輸出陶磁器史 (財)名古屋陶磁器会館

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コメント

IWANA様
今回はまた楽しい絵柄ですね。海外の有名な絵本「アンガスとアヒル」を思い出しました。イキイキとした素晴らしいタッチです。どこで制作されたのか知りたくて、窯印に書かれている文字をいろいろ並べ変えてパソコンんに打ち込んでみましたけど、手がかりは得られませんでした。

ノリタケのデザインパターンにも「オランダ風の小屋」がありますが、タッチは違うけど似ていますね。かなりノリタケを意識して作っていたんでしょうか。
それにしてもこの盗人、二羽までは両手で抱えられるけど、あともう一羽はどうやって運ぶの?

投稿: annie | 2009年12月 2日 (水) 00時33分

annie様
運ばなくても、ついてくるというのがポイントではないだろうか?
さて、ニッポン物が続きましたが、この後は少しレベルを上げて美しくて面白いヨーロッパのカップをご紹介する予定です。

投稿: 団塊堂主人 IWANA | 2009年12月 2日 (水) 18時43分

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