今回も、イギリスの古い風景画のカップであります。五月にアップしたランドスケープのカップと同じ様な絵柄にひかれて購入した物で、いずれもノーマークの為、二つを比較することで何かが見えてこないかと期待したのだけれど。
いずれも画のテーマは、以前のブログで書いたように、グランドツアーの影響を受けたギリシァ・ローマ風の廃墟趣味の景観画。以前の物は手描きだったけれど今回は転写。以前の物はボーンチャイナだったけれど、今回は磁器では無く、叩くと鈍い音がする陶器。色も白が足りない。コンディションはとてもよい。さて、送られてきたカップを見て、土が古い、いや予想以上に古いものではないかと小躍りする団塊堂。
ポーターのデザインやら景観画のテーマをもとに、まづ、あたりをつけていたのが、ウェッジウッドの初期の物、少なくともスタッフォードシャーのウェッジウッド周辺の物ではないかと妄想しておりました。1773年、ジョサイアウェッジウッドがロシアのエカテリーナ2世に納めたクイーンズウェアー・フロッグサービスに近い物。クィーンズウェアというには土が悪い、という事はそれより古い物ではないのか? 妄想は天馬のごとく団塊堂の小さなテーブルの上を駆け巡ります。
さて、転写だから、スポードが銅板転写を発明したのが1784年でありますから、年代がそれ以前という事は消えます。この転写、カラーであります、転写紙が多色刷りされていて、画の左右には版毎の位置あわせの為の点が付けられています。今なら画の外にトンボを入れるはずですが、極めて初歩的な印刷方法であります。ますます、古い物に思え18世紀末という期待が盛り上がります。またまた貴重な物がコレクションに加わったと。
さてさて、なんていう妄想の天馬に鞭打ちながらネット駆け巡りつつ、辿り着いたのがイギリスのスタッフォードシャーのPratt社の物ではないかという推測であります。
Pratt社を検索していて面白いコレクターアイテムを発見しました。1850年代のイギリスの整髪料などの、陶器で出来た容器をPOT-LIDSというのだそうですが、この瓶の絵柄が、今回のカップの絵柄と同じ手の物なのです。
ポットリッドのコレクターの方に教えて戴いた情報では、「Pratt社はイギリスで1820年頃から1920年頃までpotやlidを製作していた会社ですが、1920年にCauldon Potteries社に吸収され、Cauldon社もCoalport社を経て最終的にはWedgwood社に吸収されてきた経緯があるようです。」という事です。
オット ! ところで当時のイギリスでは、熊の油がジェントルマンの整髪料だったそうで!
そういえばバウワーのコートのオイルコーティングはアザラシだかオットセイの油だったかで、ケダモノ臭が強くてとてもこれを着て暖房の入った電車やバスには乗れない品物だったし、アンティーク家具の手入れに欠かせないリベロンのワックスはブラックバイソンの油だし、ソノウエ整髪料が熊の油だなんて、英国紳士はケダモノ臭ふんぷんであります。ベットの上でケダモノと呼ばれるのは男の勲章だとしても、電車やバスのなかでケダモノと呼ばれるなんてシャレになりません。
バックスタンプの123という番号から製作年代は1860年前後。時代は、19世紀後半という事でどうでしょう。
Item: Antique Prattware Cup & saucer
Age: Late 19th Century
とはいえ、バックスタンプが無いので、お手上げのIWANAでございます。
追伸。
このNo 123 こそPratt社の窯印なのだという情報を戴きました。団塊堂かなりスッキリと致しました。
つづき!!
今回のブログには、メールで色々と情報を戴いています。
ポットリッドコレクターの方から戴いた資料の情報では、Prattがウェッジウッドに吸収されてからPrattの版を元に焼かれた物の様で時代は少し若くなるようです。資料の写真のキャプションに従ってタイトルを変更させて戴きました。
たかだか数千円のカップではありますが、昨夜からアアダこうだと、色々な人と沢山メールの遣り取りをしています。
団塊堂、今夜もアアダ・コウダと語りながらシ・ア・ワ・セであります。
つづきのつづき!!!
さて、またまた識者からのメールが来ました。どうやらトドメの様です。
製造がウエッジウッドに吸収後ということは、あり得ません。
1891年以降は、ENGLAND を書き込まないと関税法に触れるんです。
しかも英国の関税法って、重罰なんですよ。
さらにコウルドンがウェッジウッドに吸収される頃は、
植民地独立問題もあり、MADE IN ENGLANDが必要。
世界中に販路を持つ「輸出業者」のウェッジウッドが
ENGLAND を書き込まなかったことは1891年以降一度もありません。
従ってこのプラットは、1890年以前、それ以後はあり得ないのです。
今夜は、団塊堂とても充実の夜であります。
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