ロマンチシズムの時代のオーストリアの芸術は、その表現手段のちがいには関係なく、全般的に一種の牧歌的な性格を残している。それは、ものごとに対する愛情、万人に対するやさしさから生まれ出てきたもので、ドイツ・ロマンチシズムの情熱から発した“悪魔”的な要素は、ほとんど含まれていない。いささか軽薄で感傷的だけれども、軽い恋のたわむれのように、限りなくかわいい。 ウィーンはなやかな日々 マルセル・ブリヨン著・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さて今夜は、ロイヤルウィーンのキャビネットカップであります。ジッポーのライター程のスペースに二人の美しい婦人が描かれている。
この御婦人なんと釣り糸を垂れているではありませんか。足元の水面からは、魚が顔を出している、魚は2~3ミリの大きさだけれど拡大してみてもしっかりと描かれている。神話のモチーフだろうか有名な画家のミニチュアールだろうか。
テーマが、この手のものに有りがちな、色ボケしたようなブルマ姿の貴族であったり、庶民が食べるパンが無いと暴動を起こしたら、お菓子を食べればいいじゃないのとい言ったりした御バカ皇女様でないのがいい。夕餉のオカズを釣る主婦二人、つつましくて主婦の鑑だなんて言ったら発想がビンボー過ぎるだろうか。
華麗優美な色絵金彩に包まれた美しいカップ、この美しいカップを手に入れた為に、カード決済の二ヵ月後まで、団塊堂はアラユル快楽もササヤカな贅沢も許されないのです、しかし、その苦しみも忘れさせてくれる美しさであります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ウィーン窯は、1719年に神聖ローマ帝国の首都であるウィーンにクラウディウス・インノケンティウス・デュ・パキェによって開かれた硬質磁器の窯。1744年には女帝マリア・テレジアの主宰で再発足、1864年まで続いた。世界帝国ハプスブルグ家の栄華を伝える世界で最も贅沢だと言われる硬質磁器です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さてさて、「ロイヤルウィーン」なるものであります。
なぜ「ウィーン」ではなく「ロイヤルウィーン」なのでありましょう。ウィーンはウィーンであり、ロイヤルなど付ける必要はないのです。結論から先に言えば、ロイヤルウィーンなるものは、「ウィーン窯」ではない偽物であるという暗黙の呼称なのです。カップにロイヤルウィーンと表示があるわけでもなんでもなく、ただウィーン窯と同じ盾のマークが描かれているだけなのです。だから偽物なのです。
「ロイヤルウィーン」なる偽物の正体は、当ブログでお馴染みの和田泰志先生の「ヨーロッパアンティークカップ銘鑑」に詳しく書かれていますが、和田先生に戴いたコメントを紹介します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.「ロイヤル・ウィーン」とは、
高度経済成長期に、西洋骨董屋に知識が無く、間違ったか、もしくは箔付けのために使用した用語です。
2.学問的には「インペリアル・アンド・ロイヤル・ヴィエナ」で正しい。オーストリア=ハンガリー二重帝国では、ハンガリーは王国です。ただし「英語」ですから「ヴィエナ」がよいかもしれません。
いずれにせよ「インペリアル」がつかないことにはまずいでしょう。
3.いまだに「ロイヤル・ミントン」などとトンチキなタイトルで売ってる
業者もあるので(ネット検索してみてください)、「ロイヤル」とは
ホテル・ロイヤル、パチンコ・ロイヤル、ロイヤル・マンションのように、
ただの和製固有名詞(この「和製」が重要です)の一部と考えればよいでしょう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
二ヶ月ほど前の、「なんでも鑑定団」にこの偽物のウイーン窯の「ロイヤルウィーン」の皿二点とドレスデンの皿を持って九州からお金持ちの奥様が登場された。
行き詰まった不動産屋から三点50万円で購入した物だという。本物かどうか鑑定をお願いしたいという。
その様子を少し再現してみよう。
前のコーナーでガレッジセールのゴリが婆さんの物というくだらない壷を持ち込んだので、司会のシンスケはそれを引き合いに出して。ロイヤルウィーンの皿をさして、「こうゆうのが本物と言うんじゃ」とハイテンションで連呼する。これは高いよと更に駄目押し。ナレーションは、いきなり「今では、まぼろしの窯と呼ばれるロイヤルウィーン」と、ウィーン窯と偽物のロイヤルウィーンを全く同一視する間違い。
さて、鑑定に立った阿藤ギャラリーの阿藤氏「いわゆるウィーンスタイル、ウィーン窯が閉じられたその後に造られた物」とここまでは良いが、その間にもシンスケは本物を連呼。阿藤氏「窯がなくなってからも貴族が欲したからドレスデンなどで造られた」貴族が欲したからといって他人が作れば偽物だろうよ。だから偽物なんだろうと合いの手を入れたいところだけれど鑑定士は「だから良いものなのだと」言う、それってスリカエの屁理屈だぜ。「ウィーンの盾のマークはお約束みたいな物で付いている」それってどうよ?そういうのって偽物で偽装表示って事なんだよね。お約束はないでしょう、つまり偽物つくりのお約束って事なんだろ。シンスケそれでも良い物だ本物だを連呼。
さてさて、問題はそのお値段。鑑定は、三点で160万。ドレスデンが60、ロイヤルが60.40万円。
50万円が160万円となって、シンスケだから本物なのだと連呼。
どこかで何かがスリカワッテ。偽物に勝手な値段をつけて、「良い物だ」が結論ではね。
なんでも鑑定団、なんだかインチキオークションでサクラのシン公が騒いでアレヨあれよという間に真贋あいまいにして値段吊り上げておめでとうございまーす。って感じで。おまけに「飾って楽しまれたらいい」なんて、つまり“その値段では売れませんから”って事なんだよね。後味の悪るーい放送でした。
もちろんシンスケの無知に起因するだけで意図はないだろうけれど、ロイヤルウイーン販売業者さんでもある鑑定士、冷や汗その後ニンマリって感じ。
付け加えれば、ロイヤルウィーンなどという物は、まともな業者は扱わない物だと、友人が耳打ちしてくれました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さて、和田先生はその著で、偽物を掴まないためには、本物を良く見るべきだといいます。本物のウィーンの凄さを下の写真で感じていただければ幸いです。「世界で最も贅沢だと言われるウィーン窯」・第三期ゾルゲンタール時代のカップ&ソーサーです。
・・・・・・・・・・・・・・・・
でも、団塊堂、プアマンズウィーンのロィヤルウィーンだって大事なお宝です。
最近のコメント