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2008年7月29日 (火)

オールドノリタケ考 続々。

Onm_2 オールドノリタケとコールポートのジュール比較論の中で、海外にお住まいの桃子さんからコメントを戴きました。沢山のコメントを戴き、メモリーの都合で全体の表示が出来なくなっているようです、改めてブログをアップしてみました。

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海外にお住まいの桃子さんのコメント。

はじめまして

私は海外に住んでいます。カップ&ソーサーを集めて10年です。和田先生の本も日本から送ってもらい読みました。 それからずっと歴史を調べていますが、日本美術工芸の本にも アメリカの本(1900年前後)にも森村組の名前も見つけることができませんでした。 

いろんな事を調べているうちに 日本で出版されているノリタケについての本に疑問を持つようになりました。なぜノリタケが 当時アメリカで良く売れたか、、は ヨーロッパのものの値段が高く 買えない中流以下の方達に西洋物に似たものとして良く売れたのだと思います(1890年前後のカタログより)。

世界の日本美術工芸品にはオールドノリタケは、、残念ながらありません。 オールドノリタケは大量生産でした。 だから 美術館にあるものを、何人もの方が持っているのではないかと思います。西洋のものをより日本的な細かさを絵付けした名古屋の絵師さんの技術は素晴らしいと思っています。でも本当の日本美術工芸品とは、、、、多分 岡倉天心 なども 当時 言いたかったことではないかと思います。

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さて、「団塊のブログ」には、毎日たくさんの“オールドノリタケファン”の皆様や“アンティークカップファン”の皆さんのアクセスがあります。

先日来の、オールドノリタケとコールポートのジュールの比較論やらロイヤルウースターとの比較論は決してオールドノリタケの評価に水を注そうというものではありません。あくまでオールドノリタケファンとしてオールドノリタケの座標を正確に把握して鑑賞したいと思う心からです。

かってIWANAがオールドノリタケのブログの中で、オールドノリタケファンの皆様には是非とも和田泰志先生の「ヨーロッパ アンティークカップ銘鑑」をお読み戴きたいと申し上げた心は此処にあります。

アンティークコレクターの世界でオールドノリタケコレクターの評価はどうでしょう。ビギナーで陶磁史の全体像を知らず、「華麗なる独自の世界」などと独りよがりな認識の、可愛い愛国者なんて何時までも思われている事はとても癪な話です。

「写し」や「コピー」を、現在の感覚で批判するのは間違いかもしれません。時代は違うけれど、マイセンにも恥ずかしげも無く柿右衛門写しがあり、当時のパリで柿右衛門はマイセンの倍の値段で売られていたという事もあります。

さてさて、皆様のコメントをお待ち致しております。

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さて、いよいよ核心に迫ります。

和田泰志先生の登場です。コメントを戴きましたので、見やすい様に本文にアップ致しました。

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IWANA様

明国滅亡の戦乱により、景徳鎮の窯場が開店休業となり、
中国磁器を購入できなくなったオランダ東インド会社は、
それまでせっせと台湾に運んでため込んでおいた大量の景徳鎮磁器を持ち帰り、
ヨーロッパでの貿易需要を満たしました。
この在庫を運びきるのには二十年間もかかったんだそうです。
ついに台湾のストックもなくなり、かといって大陸の争乱は収まらず、
ということから、日本の伊万里焼に目を付けたわけですね。
それまで「伊万里・柿右衛門」はヨーロッパではあまり知られていなかったはずです。
景徳鎮での生産が再開すると、伊万里焼きはあっさり見捨てられ、もう輸出されなくなりました。
したがって景徳鎮休業時の代替品として輸出されたわけなんです。
そう考えてみると「東洋への強い憧れから…」などと、少々持ち上げすぎの気がします。
ただシャンティーイ城のコンデ親王ブルボン公爵ルイ・アンリや、
有名なザクセン選帝侯爵が、柿右衛門磁器の熱烈なコレクターであったことは事実です。

その後マイセン窯はセーヴル窯の勢いに圧されてロココ・デザインのコピーを行い、
ドイツの諸窯はマイセンのコピーを行い、
やがてマイセン窯はウェッジウッドのコピーを作り、
パリの窯業群がセーヴルのコピーを行い、
19世紀になると、ナポレオン好みのアンピール様式や
パリ窯業群のコピー品一色となってしまった1800~1810年代のイギリス磁器、
19世紀半ばの万博と装飾工芸博物館ブームに始まるコピー品・贋作品の蔓延、
さらには幕末から明治にかけて、開国した日本から流入する工芸品をコピーしたエステティック・ムーヴメント等々、
西洋磁器の歴史を総括すると、「模倣」の一言に尽きるわけです。
「アンティーク・カップ&ソウサー」は、最初のカップから最後のカップまで、
そして各章末のコラムに至るまですべての記述内容が、
一貫してこの「コピー、模倣」という太いラインで貫かれています。
本に隠されたこの恐るべきテーマに気付いた方が、
「慄然とした」とおっしゃるほど、この青い表紙の本はコワイ書籍なのです。

しかし!ノリタケの「コピー」はこれらの概念とは全く違うのです。
イギリスの言葉にあるように、ノリタケは「プアマンズ・ウースター(貧乏人のウースター)」です。
(「ウースター」とは、「高級なイギリス磁器」の代名詞として使われています)
イギリスやフランス渡りのホンモノの磁器は高くて買えない、という中流以下の人が、
「それとわかっていて」買う、いわば「パチモノ」。
美術品ではありません。
桃子様のおっしゃるとおりだと思います。

あ~あ、またオールド・ノリタケ・ファンの方から猛烈なバッシングがきますな。
でも本当のことだから仕方ない。
私は言うべきことは言います。
その上で、何が魅力なのか、どこに美が隠されているか、日本人として何を記憶しておくべきなのか、が初めてはっきりしてきます。
礼賛者の本に迎合しているだけでは、真実は見えません。

桃子様
「美術館にあるものが、一般人コレクターもみな持っているのが変?」というお気持ちは、なるほど!と思いました。
でも逆にこういう発想はいかがでしょう。
一般のコレクターが誰でも買って持っているような量産品を、
「美術館」と銘打った、実はただの「展示場」を作って、そこに置いているだけ。
「美術館」が先にあったのではなく、「美術館」は結果的に最近、平成の時代になってからできている。
私はそう考えています。

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皆様のコメントお待ち致しております。

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桃子さんからのコメント、こちらにコピーしてみました。

Onm >>>>>>>>>>>>>>>>>>>

IWANA様
和田様

私のヨーロッパものの教科書を出版された和田先生からお返事いただけるなんて 夢のようです。

こちらの骨董市でドレスデンのカップで取っ手がヘビのカップやら オールド アイボリー リモージュ薔薇などなど集めましたが マイセンだけは、偽物が怖くて 買おうとは思いませんでした。
高価で良いものほど 高く売れるので偽物や写しがでてくるのすね。
美術工芸品だから PATENTを取ったのではなくて 真似されないためにもPATENTが必要だった時代なのですね。
1880年頃から陶磁器戦争?で、日本の花鳥図などフランスやヨーロッパ アメリカで真似され 1885年頃には 日本の高価な美術工芸品は売れなくなってしまいます。イギリスでは 当時に集められた方の作品が本となり出版「MEIJI NO TAKARA」されました。高価な本なので 買うことができないです。

骨董収集について思う事はIWANA様と同じ考えです。 いくら鎌倉時代のものだから、1点ものだから、将来値段が上がりますよ、、と言われても 美しいとか 眺めていて安らぐとか、、がなければ 収集しようとは思いません。リモージュが好きな人、古伊万里が好きな人、全世界 人それぞれです。

オールドノリタケは明治に輸出された陶磁器の一部です。ただ 世界に誇る美術工芸品と言っていれば、海外にいる日本美術工芸品の収集家達に笑われてしまうのではないかと思ってしまいます。日本美術工芸品でなくても 将来のお宝にならなくても 夢中になれるもの、心が安らぐものを集め 同じ趣味を持つものが集まり 語らうーー私はそれで良いと思うのです。

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桃子様 コメント有難うございます。まったく同感であります。

和田先生のホームページは情報満載です、とても勉強になります。是非お立ち寄り下さい。

  美術工芸陶磁器 マンダリン・ダルジャン

 http://www.antiquecup.com/ 

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