« Rare Meissen 18世紀のシノワズリーの皿 その② | トップページ | 偽装飛騨牛。 »

2008年6月25日 (水)

我が師、和田泰志が偽マイセンを叩き割るの記。

Meissen_026 今日はじめてお立ち寄り戴いた方には、我が師「和田泰志」についてご説明をしなければならないが、しかし、我が師といっても勝手に私が言っているだけでご本人には迷惑至極かもしれない。

Meissen_025 当ブログでは何回もアップしている「ヨーロッパ アンティーク・カップ銘鑑 実業之日本社刊」 「アンティーク・カップ&ソーサー 講談社刊」の著者でアンティークカップ界の大阿闇梨(おおあじゃり)であり不動明王みたいな存在なのだ。

というのも、師は、かって毎日一個、千日アンティークカップを買い続けた、そして既に二千個、いや近頃は四千個のアンティークカップを手にしたという桁外れな方なのだ。なによりあらゆるアンティークカップを購入した、そして手にしたという実体験は、誰をも沈黙させるにふさわしい貴重なものだからだ。

「一期は夢よ、ただ狂へ」。戦国時代の流行歌だけれど、好きなんだなIWANAはこの言葉が。狂気の末にしか掴めないものが在るはずで、比叡山延暦寺の修行僧が七年に渡り千回、峰々を巡る千日回峰行の末、大阿闇梨として崇められるのにも似て、四千個のカップを買い続けるというのはマサニ修行であり苦行であり、そして快楽なのだから。 と、少し持ち上げ過ぎたかも知れない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さてと、過日のマイセンの絵皿、真っ赤な贋物なのである。いや、「である。」などと威張れた話ではないのだけれど。これじゃあまるで、「なんでも鑑定団」に出てくる、誰がみても「マッカナ贋物」の掛け軸を持ち込んで、トウトウト講釈をタレル田舎の守銭奴の馬鹿隠居そのものではないか!と。

いや、少し言い訳をさせていただけば、わたくしとて、マイセンのヘロルト期の絵皿なんぞが出れば数百万の話で、ベンツのコンプレッサーなんぞでは届かない値段だというくらいは承知之助で、E-bayで18世紀のマイセンでヘロルトとあるから「馬鹿野郎!ソンナワケネーダロー!!」なんて見ていたのですよ。しかし、見ているうちにスケベ根性が湧いてきて「面白いのジャマイカ・これで面白いブログが書ける」なんて思ったりして、すべてブログのせいなのです。

そのうえ敵はアメリカだからキャプションはフーテンの寅さんの口上並だし、届くまで時間が掛って、こちらも段々盛り上がって、ひょっとして本物?なんて思ったり、届いた物が少しばかり時代が有って、雰囲気アルジャンって感じだから・・・・・。とはいえ、まあ贋物だから、いきなりブログにアップすれば、ブログはそこで終わってしまうから、引っ張ってひっぱって、とりあえず全体の写真は出すのは止めた訳だけれど。

Meissen_015_2 わが師、和田泰志氏がコメントで「ヨーロッパ アンティーク・カップ銘鑑」Meissen_009 の200ページの「伝ヘレナ・ヴォルフゾン工房」の贋作マイセンの中国人と同じでは!と控えめにご指摘戴いたから、しかし、IWANAの勘違いのシアワセが震度8強で激しく音をたてて壊れていったのです。まさにそれだけれど、それよりは少し良くって、しかし、贋物が有るという事はオリジナルが有るわけで・・・・・。などとツブヤイタリして・・・・。

和田泰志氏の、IWANAの贋マイセンに対する見解です。

Meissen_012 ブログのはヘロルト様式で描かれたものですが、
1860~1880年頃、明治前半に作られたものでしょう。
ヘロルト、ヘロルトの弟子、ヘロルトの工房、
アルブレヒツブルク城内、18世紀」といった
キーワードに該当する可能性は、残念ながら0%です。
Meissen_008 ブログのは中国人をみた段階で、絵付けが粗雑もしくは稚拙で、
18世紀はもちろん、19、20世紀のマイセン製である可能性すらもありません。
風景画を見ると、空の青色の顔料が
19世紀後半のパリで用いられたものに見えますので、
エドメ・サンソンあたりが作ったフランス産18世紀マイセンではないでしょうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

というわけで、師は、これを見て学べ!!!とヘロルトの素晴らしい写真集を送付して下さったのです。ドイツ語の原書で、書いてある事はわからないけれど写真を見れば馬鹿なIWANAでもその違いはハッキリとわかる。恐るべしマイセン・ヘロルト、物凄い世界なのですね。素晴らしい絵画性、格段の様式美。宮廷美術が陶器に結晶して見事な世界を作り上げているのです。

いや、IWANAの中には、西洋の陶器を馬鹿にしている部分が昔からあって、かって若い頃、百貨店で担当していた国際陶芸展に出品される海外の物などクラフト並の物ばかりで、陶器はやはり日本だと国粋主義的盲徒だったわけですが和田氏の「ヨーロッパ アンティーク・カップ銘鑑 実業之日本社刊」が、その傲慢を正し、今回、お送り戴いたヘロルトの素晴らしい写真集が木っ端微塵にその勘違いを打ち砕いたのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

何がドウ違うのだとご報告。

Meissen_011 先ずは、この飾り、ドウ見てもオレンジ色のアカンサス模様が可笑しいではないか?渦巻き模様すら可笑しい。というわけでブログ①の冒頭に貼り付けたのですが既にこの時点てお分かりの方にはお分かり戴いていたのですが。勿論、宮廷美術師のヘロルトのレベルではない。

雲の描き方が可笑しい。ヘロルトの工房では、ヘロルトは工房の絵師に一切勝手な描写は許さなかったヘロルトの描写方法を徹底させた。ヘロルトは才能有る絵師が自分を乗り越える事を恐れ絵のパーツ毎に担当を固定し決して全体を一人で描かせなかった。ゆえに雲とか空の描写は常に同じ描き方がされている。

今回の贋作を先頭に、以下ヘロルトの写真集から真作の「雲」を並べてみた。

Meissen_021 Meissen_019 Meissen_022 Meissen_024

という訳で、ご存知の方には言わずもがなの事を今日も沢山書いてしまったけれど、これが楽しいのです。そして、この贋作マイセンとて100年以上前の物であれば、立派なIWANAのコレクションであるのです。勿論マイセンと名乗らなければ、それなりのアンティークという事ではありますが。

そして贋物でも良いから近づいてみたい気もする古マイセンの世界です。

|

« Rare Meissen 18世紀のシノワズリーの皿 その② | トップページ | 偽装飛騨牛。 »

アンティーク」カテゴリの記事

マイカップコレクション」カテゴリの記事

コメント

ある人が桜の花を塩漬けにし、壺に蓄え、封印をつけておいた。
お客が来た時に封印を切ろうと思っていたら、夏の頃に客人が来た。
しかしこの人は酒は好むが風雅を愛さない人だったので、
このような人に食べさせるようなことはもったいないと思って出さなかった。
秋の頃別の客が来たが、この人は風雅を解するが酒は好まない人だったので、
やはり出さなかった。
冬になると、このごろではお正月用の盆栽といって、
桜はもちろんのこと藤なども咲かせて売っている、と聞いたので、
せっかく本物の天然桜なのに、今出すとこうした温室栽培のニセモノと思われて癪だと出さなかった。
しかし、やがて来る春も近い、かといって風流な客も来ないし、ということで、
ただ酒を好むだけの人が来た折に、とうとう封印を切って出した
ところがその客は一口かじったが食べ残したままで
「先日あるお屋敷で、床の間に置いてある盆栽の桜の花びらをちぎり、
そのまま酒に浮かべて飲みました。花は塩気なきこそよかりけれ
と言われてしまい、涙を流して悔しがったということである
(松平定信「宇下人言」より)

「花は塩気なきこそよかりけれ」
塩漬けのホンモノより、ニセモノでもフレッシュな方がお好きなかたもいるわけで。
高いブランド品の本物より、安い偽物を喜んで買う観光客を相手にする贋作大国もあり、
アンティーク食器は古くて汚くてイヤ、技術が低い量産品でも今出来の安売り食器がピカピカで好き、という向きもありで、
いずれも否定できない趣向です。

さてヘロルト風マイセンの皿は、百年たってどんな塩漬けになっていますかな?
あるいは古梅干しのように塩を吹いているかも

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

和田様
古梅干の様に塩吹きだった偽マイセンの皿は、IWANAの愛情をたっぷりと注がれワックスのパックで若き日の肌を取り戻しています。艶やかで艶かしく騙してやろう誑かしてやろうと若き日の野心を取り戻して輝きをましております。
                    団塊堂主人  IWANA

投稿: 和田 | 2008年6月26日 (木) 20時19分

初めまして。番組制作をしております祝 武志と申します。
いきなりのメールをお許し下さい。
和田泰志先生の著書"アンティーク・カップ&ソウサー 色彩と形が織りなす世界"を拝見させて頂きましたが、更に詳しいお話を聞きたいと思いまして、出版社に問い合わせました。しかし、先生の連絡先が解らずネットを検索してました所、団塊堂主人IWANA様のブログに出会い、こうしてメールをさせて頂きました。お手数ですが、和田先生とのコンタクト方法が判るようでしたらお教え頂けたらと思っております。
急なお願いで申し訳ありません。
宜しくお願いいたします。

投稿: 祝 武志 | 2012年9月 6日 (木) 16時30分

祝様

和田先生の連絡方法です。
アンティークカップ で 検索をすると

美術工芸陶磁器 マンダリン・ダルジャン というHPがあります。これが和田先生のHPです。
このHPの下の方からメールが送れます。

投稿: 団塊堂主人IWANA | 2012年9月 6日 (木) 19時05分

本当に助かりました。
早速 コンタクトさせて頂きます

ご親切に本当に有り難う御座いました。

投稿: 祝 武志 | 2012年9月 7日 (金) 10時12分

祝様
お役に立てて光栄です。
ちなみに、和田先生は、講演会も面白いと評判です。私は聞いたことはないが。
そして、ミニチュアカーの狂気のコレクターでもあります。
そうそう、紅茶についてもカナリの薀蓄が詰まっている人ですよ。

投稿: 団塊堂主人IWANA | 2012年9月 7日 (金) 18時49分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 我が師、和田泰志が偽マイセンを叩き割るの記。:

« Rare Meissen 18世紀のシノワズリーの皿 その② | トップページ | 偽装飛騨牛。 »