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2007年6月18日 (月)

オールドノリタケコレクション 10

久々にIWANAのオールドノリタケコレクションに加わった大物スターのご紹介。新しいといっても90年くらい前の物ですが。

Clown_010_1  ⑬アール・デコ ピエロの小物皿

Clown_008 裏印 グリーン HAND PAINTED M-JAPAN印 

    大正7年(1918)以降 昭和6年(1931)以前

Clown_007

1925年にパリで開かれた装飾博覧会で提唱されたアールデコはあっというまに世界を虜にする。しかしこの時アメリカは、この博覧会に参加していなかった。その時の商務省長官のフーバーは「この国には現代的な装飾美術運動は無い」としていた。アメリカは移民による新しい国であり、伝統がないため、逆に伝統的なるものにひどく固執する国柄でもある。メイプルリーフ印の明治期のオールドノリタケがとてもクラシックなデザインであるのはアメリカ市場のこうした好みによるものだけれど、アールデコなどフランスの物とデコに対しては冷ややかなものだったという。

Clown_005 しかしながら、1925年のパリ装飾博覧会から五年後、アメリカを新しい装飾スタイルが席捲するアメリカン・スタイルのアール・デコの誕生である。

ニューヨークのクライスラービルやエンパイアステートビルといったスカイスクレーバー(摩天楼)、ジグザグとストリームライン(流線型)、同心円やら放射線で構成された巨大なアメリカンアール・デコのモニュメントがつくられ、自動車やデパートメントストアといった近代的な都市生活を彩る要素がアール・デコのスタイルで作り出され、始めてのアメリカンスタイルをかたちづくる。楽しさに溢れた大衆性にあふれたアメリカンアール・デコの誕生です。Clown_001

欧州の模倣から脱したアメリカンデザイン、ノリタケのデコはその先駆けとしてアメリカに浸透していきます。模倣からスタートしたノリタケがこの大正期にアイデンティティを確立し昭和には欧米のメーカーからコピーされるまでになる意味のある時代の物です。

ピエロ、道化なのに悲しげで不安げである。楽しく笑わせてくれるのが道化だけれど、悪夢の中に現れて人々を苦しめるのも道化。世の中の人の七人に一人が、ピエロ恐怖症であるという説もある。遠くで見ると面白いけれどサーカスでピエロが座席近くに来たときに何やらゾクゾクと恐怖を感じた事が誰でもあるでしょう。もちろん白塗りの小梅太夫がチャンチャカチャカチャカチャンと新幹線に乗り込んできても同じだけれど。

Clown_013 アメリカをデコスタイルが席捲するのが1930年代。20年代のアメリカはクレイジーイヤーズとかデ・ザネ・フォール(狂気の時代)、パーティとダンスの時代。30年代は1929年の「暗黒の木曜日」と呼ばれるニューヨークの株式市場大暴落に始まる世界大恐慌の影が大きく世界を覆った時代。

まさに、このピエロこそ、そんな時代をとても良く現している物だと言えないだろうか。大正末期・昭和の初めという時代の物。IWANAのオールドノリタケコレクションのデコレディピンディッシュと並ぶノリタケのデコの逸品。

Clown_006 デコレデイもピエロも“オールド・ノリタケ・ハワイ”から購入したものだけど店主のブルースカイさんもデコレディを懐かしんでこのブログを訪れて戴いている。今回のピエロもまたコレクターズガイドにも掲載されたコレクションには欠かせないアイテム。コレクションを押さえるべき重要なポイントは全て“オールド・ノリタケ・ハワイ”さんに頼ったが店主のブルースカイが団塊の世代というのもうれしい。

婦人参政権・禁酒法、女性が、化粧をはじめ、煙草を吸い、お酒を飲み、夜ごとワイルドパーテイに遊んだイケナイ時代のイケナイ物がビッシリと詰まった「ピエロの灰皿」なのです。

オールド・ノリタケ・ハワイ

http://oldnoritakehawaii.com/

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