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2007年5月20日 (日)

オールドノリタケ アール・デコの時代

Deco_002 1918年ノリタケのバックスタンプ(裏印)は、M-NIPPON印からM-JAPAN印に変更されます、これはアメリカで施行された関税法による原産地表示の義務付けによるJAPAN表記への統一の要請によるものですが、ノリタケ製品に大きな変化が見られるのもこの時代です。

1920年代というのは、デザインの世界ではとても大きな、変化の時代です。第一次世界大戦が終わり1920年代が始まると、自動車が普及し豪華列車や豪華客船による観光旅行が盛んになり、人々はジャズを聞き、カクテルを飲み、チャールストンを踊りました。

「ソフィスティケーテッド・レディ」、モダンで粋な女たち。

1920年代には人々のライフスタイルは大きく変わります。この時代を象徴するのがソフィスティケーテッドという言葉の持つ意味の変化です。

Deco_001 この言葉は、混ぜ物をした、世間ずれをしたといった意味合いから20年代に入るとスマートとかモダンといった意味に変り、更に洗練されたとか文化的なという意味に変わっていきます。

女性が化粧をするようになったのがこの20年代です。それまで化粧というのは、特別な女性だけがするものでした。ソフィスティケーテッドは自然な状態から離れている事を示します。自然な物から人工的な物の美学が確立されたのがこの時代です。

大正9年(1920)東京の市バスに、女性の車掌が採用されます。タイピストやマネキンガールといった新しい職業に颯爽と女性が進出していきます。短い髪、ショートスカート、口紅やコンパクトが入ったハンドバック。映画や雑誌の発達で、世界のファッションの流行はほぼ同時に日本の女性をも虜にします。

ノリタケもこの時代に呼応してJAPANへの表記の変更のみならずモダンスタイル、つまりアールデコデザインの製品を作り出していきます。ニューヨークのノリタケのデザインオフィスでイギリス出身のシリル・リーによって起こされたデザインは、名古屋に送られ、名古屋で焼かれた製品は、アメリカの百貨店に並ぶ事となります。

Deco_004_1 オールドノリタケがコレクションとして注目を集める事となったのはアメリカのハワード・コトラーという人物のアールデコ陶磁器のコレクションですが、それまでオールドノリタケのアールデコは、その原色の色使いと、安っぽいラスター彩(真珠貝の表面の様な釉薬)から下手物と見られていました。ノリタケの人達すら輸出用のアールデコの陶磁器をラスターという事で別格に扱っていました。

キワモノがブームになる、キワモノがキワモノ故にブームになるという事は良くある事です。原色の色使いが60年代のポップアートに共鳴したと言えば言い過ぎだけど、兎に角、コトラーのコレクションにより、人々はオールドノリタケのアールデコに、新しい価値を見出していきます。

オールドノリタケは、テーブルウェアと呼ばれる食器類と、ファンシーウェアと呼ばれる土産品に大別されます。アールデコ期のテーブルウェアのラスター彩のマヤカシの豪華さはイタダケナイけれど、ファンシーウェアには妙に惹かれるところがある、なかでもデコレディには。

女性が化粧をし始めた時代、女性が自由を確保して社会進出を果たした時代、それは、とりもなおさず男も自由になった時代でもあると思うのです。

Deco_005 デコレディの魅力、男も女もピカピカだった時代のノスタルジーなんだな。

新しい仕事にも慣れ、体調も整い、久々に長々とブログしました。夏のボーナスでは、デコ物のフィギュアを一体追加したいと、明日からまた頑張ろうと思う、IWANAの今日この頃です。みなさん如何お過ごしですか。

本文の一部は、海野弘著 アール・デコの時代、井谷喜恵著 オールドノリタケの美から引用致しております。

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