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2006年9月26日 (火)

オールドノリタケコレクション 1

出会いは、我が家から15分の神社で毎月開かれている骨董市でした。

Deco 美味しいコーヒーが飲める、なお且つ美しい、妙齢の、ギャルソン風の? 御婦人が淹れる、お気に入りの喫茶店への道すがら立ち寄った骨董市が、とんだ道草の始まりでした。

何時ものように冷やかして歩いてみたものの、ジャンクばかりでメボシイものはありません。近頃は古い着物がブームで骨董市にも御婦人が増えています。若い人にもブームで、マニアが沢山、古い着物を着込んで見せびらかしにお出ましでした。でもね、こういう女性って共通して化粧気が無いのね。ただでさえ汚い着物なのだからセメテ、髪は整えて、顔は薄くぬり、口紅は赤いものを引いて欲しいのよね、そうすれば僕だって、御婦人を木陰に誘い、人生について語ってみたい・・なんて妄想を膨らましながら歩いていると見つけたのですオールドノリタケを。

戸板一枚ほどのスペースに、まるで輪投げの景品のようにオールドノリタケが置かれていました。チープなデコが中心でしたが、これだけ沢山のオールドノリタケが出るのは珍しいことです。なかでもランドスケープ柄の花瓶とセロリ皿が目に付きました。思わず女ご主人にこれ幾らと尋ねていました、花瓶が五万、セロリ皿が一万八千円。幾らにしてくれる。これね家のお客さんのコレクターが宗旨替えして放出したものなのよ、その人、買ったときよりはるかに安い値段で出してくれてるの、6万でどう。わかった買うよ。衝動買いです。今おもうと少し高いような気がします。

銀行で金おろしてくるから売約済みにしといて。とはいえ少し迷って、兎に角コーヒー一杯飲んでよく考えてと思いつつ、美味しい、件の喫茶店でコーヒーを飲みました。コーヒーを飲んで冷静に成るどころか益々ココロが騒がしくなります。

美しい妙齢のギャルソン風の目の前の御婦人は手に入らないけれど、あのオールドノリタケは小さな勇気で手に入る、もう決まりです。

金を下ろして骨董市に戻ると、戸板いっぱいあったノリタケがありません。随分早い店じまいだなと当惑していると、今これ全部買っていった人がいるとの事。危ないとこでした。売約済みにしといた品は、戸板の上で一番輝いていたメープルリーフの裏印の物。きっとそのコレクターもこれが欲しかったに決っています。心の中にフワッと充実感が拡がっていきました。

バブルの少し前だったか、オールドノリタケが若い人にもブームになったことがあります。その頃の雑誌に紹介されていた物は、もう少し若い、戦前の物でレトロではあるけれどチープなものだったように思います。この春からノリタケにのめりこんで判った事ですが、こんなに素晴らしい世界があったなんて。

明治の日本の矜持・日本発ブランドの原点。オールドノリタケ。

このコレクションを始める半年ほど前に、ノリタケの明治期の画帳の写しを手に入れていました。当時のセールスマンがアメリカを持ち歩いた謂わばカタログです。素晴らしい物です。味気ない現代のカタログに比べて手彩色の金の盛り上げ等も施された素晴らしい物です。「ノリタケの商売の質」に感動すら覚えました。

日米の貿易の始まりは、名古屋のノリタケにそのルーツがあると書いた本があります。明治9(1876)ニューヨーク・ブロードウェイに「MORIMURA BROTHERS」の看板が上がります。日本の骨董、漆器・陶器・銅器・置物などを扱いますが、中でも陶磁器の人気に目を付けた森村は、明治17(1884)頃より自力で陶磁器のプロデュースを始めます。名古屋・東京・京都などの工場と契約し独自の商品を作り出していきます。ノリタケの素晴らしい歴史は一大歴史小説であり経済史でもあり、出来ればNHKあたりで大河ドラマの題材に、と思う今日この頃です。

なんて、浅学非才の小生がノリタケの歴史を書かずともネット上には素晴らしいホームページが溢れています是非、検索の上ご照覧あれ。

ささやかな小生の、されど渾身の思いを込めたミニコレクション。お代は頂きませんゆっくりとご覧ください。

薔薇絵盛上げ花瓶

N13_2 裏印 ブルー 初期マルキ印 

明治33年頃(1900) 英国輸出向け

森村組時代初期の代表的技法である「盛上げ」イッチンという器具を使い泥しょうを搾り出し加飾した、当時流行のアールヌーボースタイルの花瓶。明治という時代にこんな物が作られ海外の御婦人の心を捉えていたとすると明治という時代の凄さを感じてしまう。この時代の名古屋といえば未曾有の震災「濃尾大震災」の少し後なんだよね。

ランドスケープ花瓶(エジプト)

N23 裏印 グリーン M-NIPPON(日本陶器時代の代表的な裏印) 

明治43年頃(1910) 米国輸出向け

少しチープな感じがするが海外のコレクターには人気があるランドスケープ柄の花瓶。椰子の木に帆掛け舟、遠くの山は冨士の様でありピラミッドの様でもある。この勘違いが堪らなく良い。エジプトも帆船も見たことの無い職人が描いたのだもの許されるよね。赤い夕日はアールヌーボーの真似なんだろうか。

ランドスケープセロリ皿(ツリー&メドウ)

N33 裏印 ブルー メープルリーフ印(森村組時代の代表的な裏印)

明治24年頃(1891) 米国輸出向け

水辺と木と小屋。当時のアメリカで最も人気の高かった絵柄だそうです。茜色の空が意味不明でやはりアールヌーボーの影響か? どこか少しのミスマッチが堪らない魅力。裏側の釉薬のムラなど当時の釉薬のレベルも感じられる品物。

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オールドノリタケコレクション」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。ブログ開設のお知らせをありがとうございました。
さっそく花束抱えてやってまいりましたよ~♪
おめでとうございます!(パチパチパチ)
こだわりのブログ、最後まで一気に読ませてしまう文章の巧みさもあって、大変楽しませていただいております。

オールドノリタケ、私は買えないので精巧な贋作を作ることに情熱をかけて早2年。。。。描けば描くほど、当時の職人さんの質の高さ、洒落あふれるデザイン、豊かな色彩に驚きます。
またコレクションを少しずつ見せてくだださいね。楽しみにしてます。

投稿: るい | 2006年9月27日 (水) 18時47分

るいさん おでまし有難うこざいます。

ご紹介いたします。
「るいさん」は(日陰で薔薇を)という崇高なテーマにチャレンジしている「日陰同盟」の主宰者で、ドッグアートつまり陶器にペットのワンチャンを描くチャイナペインターの第一人者で貞淑な妻にして元レースクィーンです。
IWANAも実はその同盟員の一人なのです。
るいさんの名誉の為に申し上げれば、るいさんは団塊の世代より、少し、いや、だいぶお若いのです。
ぜひ頻繁にお立ち寄りを。薔薇の香りの紅茶をオールドノリタケでお出し致します。

投稿: 団塊堂主人 IWANA | 2006年9月28日 (木) 06時12分

こんにちは。お言葉に甘えてまたやって参りました♪
なかなか居心地の良さそうなブログですね。
きっと、こだわりのご友人たちも集うのでしょうか。
あまり貞淑な妻では無いような気が・・・(うふふ)
家庭を持った事を忘れ、趣味に没頭しながら日々を過ごしています。

投稿: るい | 2006年9月28日 (木) 08時02分

ブログ解説おめでとうございます。お会いしたことはありませんが、どうやら同じ年代とお見受けいたします。オールドノリタケでの繋がりですが私も本当はコレクターになりたかった。先人たちの確かな腕とアイデアに今さらながら感心するばかり、と同時にあなた様の趣味の多さと毎日が日曜日に羨ましいというよりジェラシーを感じます。私が自慢できるのは毎日がブルースカイ...こればかりは貴方にも真似ができないのでは。ハワイより楽しみに拝見いたします。Mahalo

投稿: ブルースカイ。 | 2006年10月 1日 (日) 09時28分

ブルースカイさん
日付変更線の向こうからお立ち寄り有難うございます。
IWANAは骨董屋さんになりたかった。でも、そうしたら品物が売れる度に、酒を飲む事になってしまうかも。ブルースカイさんが羨ましいです。

投稿: 団塊堂主人 IWANA | 2006年10月 1日 (日) 10時42分

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